ココロドリの音庫知身

音楽とそれにまつわるトピックについてのブログ

【 山下達郎/ 僕の中の少年】~少年への決別と次世代への継承を歌い上げた大人のポップソング!~

 

『音庫知身~ある男の音楽体験史~』をお読みいただきありがとうございます。

 

本日、はてなブログさんよりTwitterで当ブログを紹介していただきました!

どうもありがとうございます。

今後もコツコツと続けていければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします! 

  

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!22枚目

本日の棚からひとつまみは「T」列から、「山下達郎/僕の中の少年」。

1988年10月リリース。人生で初めて発売日当日に買った待ちに待ったアルバム。いち早く通学の帰りの電車の中で聴きたかったので、久しぶりにカセットテープで購入しウォークマンで聴いた。その後、レコードとCDでも購入した。

 ※人物名は敬称略

 

 

山下達郎/ 僕の中の少年」 

https://m.media-amazon.com/images/I/41Sxw3FAIEL.jpg

 ※画像はCDのジャケット写真です。

 

 

私が 音楽を深く聴くきっかけになったのは、山下達郎の「風の回廊」とそれを収録したアルバム「ポケットミュージック」だ。

 


POCKET MUSIC

 

その後、山下達郎の音楽や彼のラジオを通して様々な素晴らしい音楽に巡り合ってきた。その頃はすでに音楽が生活の中心になっていたような気がする。

 

このアルバムが発売すると決まった時から、ウキウキしていたのを今でも覚えている。なんか久しぶりに故郷の懐かしい先生に会いに行くような感じとも言えばよいのか…。 

 

発売日当日、すっかり夏も終わってその日はすっかり秋めいた日だったと思う。

その頃、丁度、昭和天皇の体調が思わしくなくなりテレビのニュースでは連日、昭和天皇の今日のご病状として体温や脈拍まで事細かに報道されていた。

 

バブル経済が絶頂に差し掛かっている中、世の中が少し落ち着いたちょっと暗いムードになっている時にこのアルバムが発売された。

 

アメリカンポップスやソウルミュージックばかり聴いていた自分にとって、その頃聴いていた唯一の日本語の歌だった。久しぶりに聴いて山下達郎の歌がどのように感じるのか興味深かったし、なぜか怖くもあった。

 

 

駅前のレコード店に行き、店頭に山積みされていたレコードの横にあったこのアルバムのカセットテープに手を伸ばし、それをレジに持って行った。価格は3000円だった。

 

その店を出て、電車に乗るためプラットフォームに向かい、ホームのベンチに座って急いでケースのビニールを剥がし、カセットと歌詞カードを取り出し、ウォークマンのデッキに突っ込み再生した。

 

リズミックなシンセのフレーズに導かれて、ファンキーなベースがウネリ、四つ打ちのバスドラとともにのびやかに彼の歌が現われた。

 

「いちば~ん 好きな緑色の自転車と 君がいるから 心の中はいつもミリオネア♪」

 

当時、出すアルバムが日本で一番売れていたミュージシャンの一人であろう彼が歌うことで意味があるフレーズだ。

 

 

達郎バラードの一つの完成形であり、ドラマの主題歌にもなった「ゲット・バック・イン・ラブ」、さまよえる大人の心の放浪の歌「マーマレイド・グッバイ」、ごく普通に暮らしている無名の人への讃歌「蒼茫」、彼は「市井の黙々と働いている人が一番偉い」とインタビューでも語っていたが、この曲はまさにそういった彼の思想信条がストレートに表れたものだ!

 

そしてラストの「僕の中の少年」にはこんなことが歌われている。

 

ひとときの夢の中

駆け抜けた少年は

今はもうあの人の

眼の中で笑ってる   ~「僕の中の少年」より~

 

彼はこの歌を自分の娘が生まれた時に作ったそうだ。

このアルバムを聴いた時、正直「大人しいなぁ」と感じたし、かつてのキラキラやドキドキ感は鳴りを潜めているなとも思った。

 

しかし、そういった大人になり自分の子どもを授かった時に、自分の中に何か失ったものがありつつも、自分の無垢な少年性は確実に次世代へと引き継がれているのを実感したのかもしれない。

歌のコーラスが終わり、最後のコーダの部分で様々な音が重なり合って消えていく様子がそれを物語っているようにも思える。 

 

かつての「夏男」の熱狂は終わったが、彼の自身の内面に向かう新しい音楽のスタートが感じられた一枚だった! 

 

 

 

 

購入履歴21枚目の記事はこちらです。 

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山下達郎「風の回廊」が収録されているアルバムはこちらです。 

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『音庫知身』ー妻からひとことー

 山下達郎さんのアルバムは、夫が聴いているのを自然と自分も聴いていてイントロが鳴ると「たっつぁんだ!」とわかるように教育されていた(笑)

このアルバムでは、もちろん「ゲット・バック・イン・ラブ」なども文句なしにイイのだけど、実はこのようなしっとり系の大人な男性ボーカルの人が歌う「踊ろよ、フィッシュ」なんかも好きだったりする。

1998年に発売された「ドーナツソング」も思わず笑顔になってしまう楽しい1曲。

このギャップがたまらんのである♪

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

このアルバムはカセットテープ、レコード、CDを購入しています。

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥72,500 👈CDだけじゃないと一気に増えるよね(;^_^A

※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 

【 サム・クック/ THE MAN AND HIS MUSIC】~すべてのソウルシンガーに影響を与えたといっても過言ではない偉大な歌手!~

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!21枚目

本日の棚からひとつまみは「S」列から、「サム・クック/ THE MAN AND HIS MUSIC」。サム・クックはすべてのソウルシンガーに影響を与えたといっても過言ではない偉大な歌手。日本では昔からソウルミュージックの人気は今一つだが、アメリカの音楽を語る上では避けては通れない。

 ※人物名は敬称略

 

 

「サムクック/ THE MAN AND HIS MUSIC」 

https://m.media-amazon.com/images/I/214WBS1HXEL._SL500_.jpg

サム・クックは1931年、アメリカのミシシッピ州クラークスデイル生まれ。父親が牧師だったこともあり、幼い頃から聖歌隊で歌っていた。19歳の時にソウル・スターラーズのリードボーカルとしてデビュー。1957年にはソロ歌手として「ユー・センド・ミー」がヒットしてスターとなった。

その後も軽快な歌からメッセージ性の強い「ア・チェンジ・イズ・ア・ゴナ・カム」のような幅広い歌を歌いこなすシンガーとなるが、1964年にロサンゼルスで射殺されてしまう。享年33歳。その影響は黒人・白人問わず多数に渡っている。  

 

 

サム・クックは昔購入したソウルのベスト盤オムニバスカセットで「ユー・センド・ミー」や前回のアート・ガーファンクルのアルバムでも取り上げていた「ワンダフル・ワールド」を歌っていて、軽さの中に心地よさと安心感を与えるような素敵な歌声を聴かせていたシンガーとしてずっと気になっていた。

 

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そんな中、いつものように大学の帰り道にタワーレコードに寄った時にこのジャケットが目に入った。堂々とした余裕のあるいかにも伝説のシンガーといった佇まいのその肖像画に惹かれて、

 

「きっと、いいアルバムに違いない!」

と思い、そのレコード盤を4000円で購入した。

 

いつものように、自宅のプレイヤーのターンテーブルに乗せ、針を落とした。

予想に反して熱い歌が流れてきた。先ほどのヒット曲しか知らない自分は、

 

「熱い歌だ!でもこれは、これでいいな~!」

 

すっかり、ご満悦状態になってしまい、レコード2枚組を最後まで一気に聴いた。

最後の「ア・チェンジ・イズ・ア・ゴナ・カム」は言葉の意味は分からなかったが、なぜか涙が溢れた。

後でこの歌の歌詞の意味が分かったのだが、

 

「長い間辛い思いをしてきたけど、変化は訪れるんだ、そうだきっとそうなるよ」

 

ということを歌っていたのだ。

 

 

アメリカの黒人音楽を語る上では必ず避けて通れない「人種差別」という現実。

 

彼のようにスターになっても差別と闘わなければならなかったことを考えるとアメリカ社会の複雑さが音楽からも伝わってきたことを今でもよく覚えている。

 

 

ところで、当時ソウルファンや音楽評論家がこの「ア・チェンジ・イズ・ア・ゴナ・カム」などを高く評価する一方、「ユー・センド・ミー」や「ワンダフル・ワールド」は単なる売れ線のポップソングだという風に言われていた。

 

私自身は彼の熱い歌も大好きなのだが、実はその時は彼の軽めの歌の方が好きだった。

 

 

適切な例えかどうかわからないが、私は「焼肉」と聞いて、反射的に「焼肉定食」を思い出してしまう性分だ(笑)。

炭火で焼いた本格的な焼肉ももちろん大好きなのだが、そんなもの胃が持たれるので毎日食べられない。

またグルメな方(=マニアな方)からすると焼肉は奥が深く「ちゃんとしたものをちゃんとした手順でちゃんとした作法でいただく」ことが当たり前だろう。

 

これはこれで正論!しかし、私にとっては覚悟が必要だ(苦笑)。

 

自分にとっては定食屋の「焼肉」で十分なのだ。

そして、そんな「焼肉定食」が自分は大好きだ!

 

サム・クックの歌の凄いところは本格的な歌も軽い歌も同じように聴き手の心を動かすところだと思う。

 

まるで彼は、本格的な「焼肉」でも定食屋の「焼肉」でも「おいしい焼肉」として提供する天才的な料理人のようだ。

 

 

Spotifyでアルバムを視聴することができます。

30秒間の視聴をお試しください。▶で再生、もう一度押すと停止します。

※楽曲をすべて再生して聴くためには、Spotifyの会員登録が必要となります。

 

Spotifyなら無料で簡単に音楽を楽しむことができます♫
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『音庫知身』ー妻からひとことー

私は昔から音楽のジャンルに疎く、ソウルミュージックも全然わからなかった。

現在の音楽事情は幅広くて、それこそクリックひとつで現代と過去を瞬時に行き来できる環境になったのはすごいことだと思う!未来を感じさせるものも存在する!

でも、時々この音楽は、このジャンルは、どのような歴史を辿ってきたのかと考えるとオモシロくて、だんだんシンプルに削ぎ落とされていき、そこには何が残っているのかを確かめてみたい欲望がムクムクと姿を現してくる。

そんな歴史をこれからどんどん聴かせてくれることに期待したい!

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

今回はレコードのみを購入しています。

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥63,500

※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 

【 アートガーファンクル/ガーファンクル 】~ 混ぜるな危険!美しい歌声と練られたサウンド、でも音楽は聴いてみなきゃわからない!~

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!20枚目

本日の棚からひとつまみは「A」列から、「アート・ガーファンクル/ガーファンクル」

今まで色々なカセット、レコード、CDを買ってきたが、初めて?となってしまったアルバム。天才シンガーが数々の名曲を歌ったのだが、オリジナリティーが溢れすぎていて当時の私には驚きを越えて、???が連続してしまった。

 ※人物名は敬称略

 

アート・ガーファンクル/ガーファンクル」 


Garfunkel

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 アートガーファンクルの歌声は美しい。美しすぎて、せつなすぎて聴いているこちらが息ができないほど苦しくなってしまう…そんな歌声だと聴くたび感じる。

彼のソロの歌は孤高の超一流舞台俳優の独白のように聞こえてしまう瞬間がある。

 

しかし、そんな期待を見事に裏切られてしまった。

私はこのアルバムを聴いてみて正直戸惑った!

 

「これって、いいの?」

 

音楽に目覚めてから右も左も分からず、素晴らしい音楽を作っていたり紹介していた先達のアドバイスについて行っただけの私は初めて、道に迷ったような感覚に陥った。

 

 

アート・ガーファンクルの存在は音楽を熱心に聴く前から、サイモン&ガーファンクルの「サウンドオブサイレンス」や「スカボローフェア」「ミセスロビンソン」などの曲で知っていた。

なぜなら、姉がダスティン・ホフマンの主演の「卒業」をテレビで何度も見ていて、それらの曲が映画の中でも印象的な使われ方をされていたからだ。 

 

The Sounds of Silence

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  • サイモン&ガーファンクル
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Scarborough Fair / Canticle

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Mrs. Robinson

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その時から、

「美しくせつない歌声だな~」

とは感じていたものの、当時は特にレコードを買って聴こうとまでは思わなかった。

 

しかし、すっかりアメリカの古い音楽に入れあげていた私はある時、レコード店でこのCDに目を奪われてしまった。

昔購入したソウルミュージックのカセットテープに入っていた「男が女を愛する時」「ワンダフルワールド」、そして山下達郎がカバーアルバム「On the street corner 2」で取り上げていた「ソーマッチインラブ」や「瞳は君ゆえに」のカバーが入っていたいたからだ。

 

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「こんないい曲ばかりで、あのアート・ガーファンクルが歌っているんだから悪いはずはない!」

 

そう断定してしまった私は、レジに行き2500円を払いこのアルバムを購入した。

 

早速聴いてみた。その結果は…。

その時の私にはイエスともノーとも判断できなかった。

 

つまり、自分は、

「あのアート・ガーファンクルが歌ってるんだから、悪くはない」と感じているものの、「でも、正直いいとも思えない」

アンビバレントな状態に陥って、混乱してしまったのだ。

 

 

人気店のナポリタンと新鮮な極上の生うに、どちらも美味しいんだから、混ぜて食べたらもっとおいしいよと言われて、無理やり勧められ食べてしまった奇妙な感覚と言えばいいのか…?(伝わらなかったら申し訳ない)

 

私はおいしいナポリタンも新鮮な生うに、どちらも大好きだ。

しかし、これらを混ぜて食べたいと思わない。

 

まさに、「混ぜるな危険!」だと思った。

 

 

だが、このアルバムの名誉のために伝えておくと、「友に捧げる讃歌」「シザーズ・カット」といったヒットした名曲もあり、聴く人が聴けばまた評価が変わってしまうのは言うまでもない。

 

だから、是非、自分の耳で確かめてみることを勧めたい。

 

音楽は自分で聴いてみて初めて、ちゃんと体感できるものだから。

そして、自分の人生同様、音楽は体験することこそが一番大事だから。

 

 

 

この数年後、ドライブ中にラジオからこのアルバムに入っていない彼の別なソロ曲が流れてきた。その時、なぜか私は突然涙腺が崩壊して運転ができなくなり、事故りそうになって慌てて車を路肩に止めた。

この時の自分にそんなことが起こるなんて想像もつくはずもなかった。

 

 

Spotifyでアルバムを視聴することができます。

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アート・ガーファンクルの50年を辿ることができる1枚もオススメ

 

 

 

購入履歴19枚目の記事はこちらです。 

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『音庫知身』ー妻からひとことー

私はガーファンクルのソロアルバムを初めてきちんと聴いてみた。

とても繊細な音の寄り添ったアルバム。ひとりで静かに聴きたいか、または沈黙を許す相手と、静かな草原のような場所で風に吹かれて聴こえてくる旋律を感じながら黙ってその時間を楽しむのがよいと思う。

みなさんだったら、どのようにこのアルバムを愉しむのだろうか…。 

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

今回はCDのみを購入しています。

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥59,500

※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 

【 ブルース・ジョンストン/歌の贈り物 】~ 素晴らしい音楽に出会うきっかけとなったライターの方とその記事に感謝!~

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!19枚目

本日の棚からひとつまみは「B」列から、「ブルース・ジョンストン/歌の贈り物」

雑誌のレビューを見てどうしても欲しくなってレコードで購入!当時は未CD化だった。後年CDでも購入した。今尚、個人的な愛聴盤の一つとして君臨している。

 ※人物名は敬称略

 

 

「ブルース・ジョンストン/歌の贈り物」

https://m.media-amazon.com/images/I/5112tgK5aNL.jpg

 

この作品はビーチボーイズの現メンバーブルース・ジョンストンが1977年に発表したソロアルバム。初期の彼はブライアン・ウィルソンビーチボーイズのコンサートツアーに出れなくなってからの代役としてステージに立ち、録音にも参加していたが加入当時はレコードジャケットにその姿はなかった。60年代後期あたりから徐々にその功績が認められて、70年代以降からはグループの曲作りやプロデュースをするようにもなっていった。

 

 

このアルバムに出合ったのは1988年、私は相変わらず、当時流行していた音楽には目もくれず、ビーチボーイズアメリカンポップス、ソウルミュージックなどを毎日熱聴していた。

 

片田舎の当時まだ音楽仲間もいなかった頃の私の情報源は、もっぱらFMラジオの夜9時台から深夜にかけての音楽プログラムと、なんといっても「レコードコレクターズ」に代表されるマニアックながら良質な情報がぎっしり詰まった音楽雑誌の数々だった。

 

私は80年代に山下達郎の音楽に出会ったこと、そしてのめり込んだことで人生は大きく変わった。

当時、流行の最先端を突っ走っていた彼は同時に、自分の担当する番組では自分の音楽以上に、自分が影響を受けたルーツミュージックをひたすらかけていた。

当時、こういった有名ミュージシャンはほとんどいなかった。

 

今思えば、山下達郎や彼の音楽仲間、そして、古いながらもいい音楽を紹介してくれたラジオDJや良心的な音楽評論家たちがいたおかげで自分も一端の音楽マニアになれたようなものである。

 

渋谷陽一小林克也萩原健太、東ひさゆき、長門芳郎、森勉、北中正和…etc。

 

こういった方たちが私の音楽の先生になってくれた。

そして未知の音楽に遭遇した時は、これらの方たちの意見が大いに参考になった。

 

 

このアルバムもそんな先達がおすすめしてくれた一枚。

 

 

当時毎月買っていた「レコードコレクターズ」というレコードマニアの雑誌でビーチ・ボーイズの特集があった。

私はライターの方々が書いたアルバムごとのレビューを一字一句眺めては、聴いたこともない曲や知っている曲の裏話、バージョン違い、別ミックスなどの情報を読んで胸を躍らせて、

 

「この曲の別バージョン違いを聴きたい!」

「この曲はメンバーが一切演奏をしていない!?」

「ここのコーラスはブライアンの多重レコーディングなのか」

 

といったことに、毎晩驚いたり、思いを馳せたりしていて、知識を得られた以上の満足感を与えられていた。

 

その中で、音楽評論家の森勉が、「私の個人的な愛聴盤の一つ」としてこの「歌の贈り物」を挙げていた。

 

ビーチ・ボーイズのことに詳しいだけでなく、愛を感じる記事をいつも書いているので、この人がそこまでいうのなら、間違いないだろう」

 

とほぼ盲目的に信じてしまい、その記事を見た数日後いつもの中古レコード店でいいコンディションのものを4000円で購入した。

 

 

家に帰って、ヘッドフォンをして聴くと、得も言えぬ甘美な世界が脳内に広がった。

「これぞ、音楽の醍醐味!泣けてくる…。」

 

このアルバムは未だに私の愛聴盤の一つだが、こういった良心的な音楽評論家、ライターの方々に教えられた素敵な音楽との出会いがこの後にも続いていくのである。

 

 

今思えば、こういった出会いは本当に人生の財産の一つである。

そのような方の記事との出会いで音楽に対する豊富な知識を得られただけでなく、音楽に向き合う姿勢を学び、記事から垣間見られる愛情あふれる表現を通して、音楽を聴く感性や審美眼を養われたのだとつくづく思う。

 

これはもう感謝しかないだろう。

 

今後は、私が受けた沢山の恩恵を少しずつでも還元できるよう切に願いながら、このブログを綴っていきたい。

 

Spotifyでアルバムを視聴することができます。

30秒間の視聴をお試しください。▶で再生、もう一度押すと停止します。  

※楽曲をすべて再生して聴くためには、Spotifyの会員登録が必要となります。

 

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購入履歴18枚目の記事はこちらです。 

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ビーチ・ボーイズブライアン・ウィルソン山下達郎関連の記事はこちらです。 

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『音庫知身』ー妻からひとことー

アルバムの1曲目は、西城秀樹さんもカバーしていたみたい。全体的にしっとりじっくりゆったり聴いていたいアルバムだと思う。

そう思っていたのに!!

最後の曲で「アレっ???」となったゾ。夫に聞くとパイプラインのディスコバージョンなのだそうだけど 、これだけガラッと雰囲気違うよね(^^;

「どうしてコレ入れちゃったのかな~」なんて思ってしまうのは私だけなの?

でも、ある意味これが戦略だったりして(笑)

人間の好み、妙に引っかかっちゃうところって人それぞれ違うもんねー。これはこれで、脳裏に?残っちゃったみたい(笑)

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

今回はレコードとCDを購入しています。←両方欲しくなっちゃうんだね(^^;

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥57,000

※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 

【キャロル・キング / つづれおり】~ いつの時代でも最新ヒットになってしまう彼女のメロディーの力!~

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!18枚目

本日の棚からひとつまみは「C」列から、「キャロル・キング/つづれおり」

初のCDオリジナルアルバム! 

当時CDプレイヤーがなかったため、購入後友人に頼んでカセットにダビングしてもらった、しばらくそういった状態が続いていた(^^ゞ

 

 

キャロル・キングタペストリー」

https://m.media-amazon.com/images/I/51ApzzMF-qL.jpg

 

 日本がバブル経済全盛の頃、ユーロビートと呼ばれるダンスミュージックが大流行していた。

その当時は日本にもその波が来ていて、邦楽でも「淋しい熱帯魚」をはじめとしたWINKの大ヒット曲や、石井明美の「CHA CHA CHA」やアイドルの田中美奈子もロネッツの「ビー マイ ベイビー」をユーロビートカバーするなど、街を歩いていてもどこからかそういった曲が流れてきたのを今でもよく覚えている。

 

その中でもカイリー・ミノーグの「ロコモーション」はしょっちゅう流れていた。

The Loco-Motion

The Loco-Motion

  • provided courtesy of iTunes

 

この曲も最初の頃は、

「売れ線の軽薄な曲だな~」

くらいにしか感じていなかったが、何度も聞かせられるうちに、

 

「キャッチーすぎて耳から離れられない」

っと友人と文句を言うようになっていた。

 

そんなある日、別な友人と車でNHK-FMの70年代洋楽特集的なプログラムを聴いていたら、カーペンターズの曲の後に、暗~い歌い出しの曲が流れてきた。

 

「なんだろう、この曲?」

って20~30秒後にすごくキャッチーなサビとともに悲痛な叫び声の歌が聴こえてきた。

 

And  it's too late, baby, now it's too late♪

~だとしたら、もう遅すぎる、ベイビー、もはや手遅れなのよ~

イッツ トゥー レイトより

  

「おぉー、なんだこの曲は!」

 

今度はこの曲が頭から離れなくなり数日後レコードショップに行き、レコードが無かったのでCDで購入した。

 

そのライナーノーツでこのキャロル・キングという女性がとんでもない怪物だと知ることになる。

なんとこのアルバムを出す5、6年前まではアメリカの音楽界のヒットメーカーで元夫であったジェリー・ゴフィンとコンビで「ロコモーション」を始めとする数々のヒット曲を送り出していたという。

 

この「つづれおり」は「空が落ちてくる」「君の友達」「スマック・ウォーター・ジャック」等など収録されている12曲、全曲シングルカットできるくらい曲が粒ぞろいで、このアルバムの曲順で全曲が違うアーティストがカバーしているアルバムも存在しているくらいだ。

 

アルバム「つづれおり」は、Spotifyで聴くこともできます。

以下、視聴することができます!

※楽曲をすべて再生して聴くためには、Spotifyの会員登録が必要となります。

  

ほのかな明かりが差す窓辺で猫と一緒にジャケット写真に収まっている女性は日本で言えば五輪真弓のような存在かと勝手に思っていたのだが、単なるシンガーソングライターではなかったのだ。

 

しかも、その時ユーロビートの最新曲として大ヒットを出しているということに愕然とした。 

 

この事実に売れ線だの、産業ロックだの、本格的なシンガーソングライターだの意識して音楽を聴いていたそれまでの自分がバカバカしくなってしまった。

 

 

「ジャンルなんて関係なしに、良い曲はいつの時代でも通用するんだな~」

 

「メロディーそのものが良ければ何十年経とうが古びないんだな」

 

 

19歳になろうとしていた自分が、至極当たり前なことに気づくキッカケをこのアルバムは与えてくれた。 

 

それ以降もキャロル・キングの音楽から影響を受け続けたのは言うまでもないが、今まで自分が聴いてきた音楽がこの女性の強い影響下にあったのをこの時の自分はまだ知らない。

 

 

 

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『音庫知身』ー妻からひとことー

「つづれおり」は、私も大好きなアルバム!キャロルキングの別なアルバムもこれから出てくるのかな~。私はジェームステイラーとの「アップ オン ザ ルーフ」もとても好きなんだけど…。

キャロルキングは、日本で言うとユーミンかなと思う。ユーミンも本当はソングライター志望だったと何かで聞いたことがある。「卒業写真」ができた時に誰もその世界観を表せる人がいなかったから自分で歌うことになったとか…。

キャロルキングにしてもユーミンにしても、本人たちの独特な声?がその世界観をさらに引き立たせているように思えてならない。 

 

 

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