【 ビーチボーイズ/ペットサウンズ 】~山下達郎が熱く語った「時代性」や「ロック」というカテゴリーすら存在しないとてつもないアルバム~
夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!24枚目
本日の棚からひとつまみは「B」列から、「ビーチボーイズ/ペットサウンズ」。
1966年リリース。いよいよロック史に輝く名盤の登場です。早速どうぞ!!
※人物名は敬称略
「ビーチボーイズ/ペットサウンズ」
ビーチボーイズの歴史だけでなくロック・ポップスの歴史をも変えたと言われている名盤中の名盤!ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」と並んでコンセプトアルバムの先駆けとも言われている。
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(50周年記念1CDエディション)
そもそも、 ビーチボーイズという名前はレコードデビューする時にレコード会社の人間が本人たちの承諾なしに一方的に決めたものだ。
「ビーチボーイズだって!?、俺たちはペンデルトーンズだ!!」
デビューシングルに勝手に刻まれたその名前を見た時、メンバーのマイク・ラブは激怒したという。
ペンデルトーンズもどうかと思うが…(笑)
しかし、その後ビーチボーイズはその名前通りに、サーフィンや車、女の子なんかが出てくる明るく爽快な曲を歌って、夏や海を思わせるメンバーの格好と分かりやすいアルバムタイトルでアメリカを代表するバンドとなった。
デビューアルバムから一貫してタイトルと内容にずれがなく、彼らの音楽を求めて聴きに来る人に満足感を与え続けていた素晴らしいポップグループだった。
この「ペットサウンズ」が出る前までは…。
このアルバムはレコーディング段階から、メンバー間でも意見が割れていた。特にマイク・ラブは、
「こんなの一体誰が聞くんだ?犬か?」
とまで言っていたそうである。
これまでの彼らはキャッチーなヒットメロディーでサーフィン・車・女の子との楽しいひとときなどを爽快なハーモニーに乗せて歌ってきた。
しかし、そういった要素がほとんど鳴りを潜めて、大人になる時の孤独や葛藤、世の中への不信感、自分のエゴとの闘い、好きだった女の子の心変わりに愕然として傷つく姿など…自分の内面の弱さや心の叫びのようなものが中心になっていた。
メンバーはこのアルバムのプロジェクトがほぼリーダーのブライアン・ウィルソンによって進められていた時、日本をはじめとしたアジアツアーに行っていた。
その時、ブライアンは自宅とスタジオに籠り、コピーライターのトニー・アッシャーという人物に詞を書いてもらい、作曲やオーケストレーションの組み立てをしていて、今までと全く異なった独自の音の世界を追求していった。
また、アルバムのジャケットも異様で、長袖の冬物っぽい服装でメンバーが動物園で動物たちに餌をやっていて、そこではなぜかマイク・ラブだけ餌やりをしていない。
しかもなぜこのアルバムを「ペットサウンズ」という内容と合致しない、訳の分からないタイトルにしたのか…。
今でこそ素晴らしいと讃えられている本作だが、当時の基準で考えれば、全く意味不明な謎だらけのアルバムだ。
しかし、時が経てば経つほどこのアルバムの価値はぐんと上がり、今ではロック史上最高の名盤とも言われている。
時の試練に耐え続けたアルバムと言えば聞こえはいいが、このアルバムには他のどの音楽でも聴くことができない独特のムードがあり、唯一無二の歌やサウンド、ハーモニー、アイディアがある。
私も「素敵じゃないか」と「神のみぞ知る」などを聴くために最初は聴いていたが、正直、良さがなかなか掴めなかった。
そんなある日、このアルバムの「駄目な僕」そして「ドント トーク」を聴いた時に頭の中の何かが吹き飛んだ。
「よく分からないけど、これってとてつもないアルバムなのでは?」
と感じてからは、全楽曲の意味やサウンドが恐ろしいほどスーッと入ってきた。
山下達郎がこのCDのライナーノーツで、
このアルバムの中には「時代性」はおろか、「ロックン・ロール」という「カテゴリー」さえ存在しない。
と言っているが、まさにその通りだと当時痛感した。
このアルバムは、1、2回聴いただけではよく分からない代物である。
しかし、何度か聴けばある時からとてつもない音楽だと気づくのではないかと私は思う。
今までこのアルバムをいろんな音楽好きに勧めてきたが、だいたい同じような感想を抱いた人が多かったように思う。
無名の私なんかが言っても効果はないということは百も承知だが、
ジャンルは問わず、すべての音楽好きに一度は聴いてほしいアルバムだ!
Spotifyでアルバムを視聴することができます。
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購入履歴23枚目の記事はこちらです。
『音庫知身』ー妻からひとことー
ペットサウンズは、「とにかく聴いてみて!」と言いたいアルバム!
私がはじめてこのアルバムを聴いたのは、今からもう25年以上も前のことだった。
某CDレンタルショップの「店長のオススメ数珠つなぎ」というPOPを見て、片っ端からCDを借りて聴くという日々を送っていた中で、当時、唯一と言っていいほど衝撃を受けたアルバムだった。
後に、「このアルバムは幾つの楽器が使われているのか?どれだけの人数で演奏しているのか?」と少々夫を質問攻めにしたことがある(笑)
達郎さんのいう「カテゴリーすら存在しない」という言葉通り、オーケストレーションとボーカル・ハーモニーが一体となってお互いを引き立てあっている!!
本当に、様々な色があってこそこのような音色が生まれるのだ。
きっと、人間の世界も様々な人がいなければつまらなくなってしまうのだろう…。
とにかく、聴いてみてほしいなっ♪
本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)
このアルバムはCDとレコードとミュージックテープで購入しています。
現在の音楽棚購入累計金額 ¥82,500
※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。