【 サム・クック/ THE MAN AND HIS MUSIC】~すべてのソウルシンガーに影響を与えたといっても過言ではない偉大な歌手!~
夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!21枚目
本日の棚からひとつまみは「S」列から、「サム・クック/ THE MAN AND HIS MUSIC」。サム・クックはすべてのソウルシンガーに影響を与えたといっても過言ではない偉大な歌手。日本では昔からソウルミュージックの人気は今一つだが、アメリカの音楽を語る上では避けては通れない。
※人物名は敬称略
「サムクック/ THE MAN AND HIS MUSIC」
サム・クックは1931年、アメリカのミシシッピ州クラークスデイル生まれ。父親が牧師だったこともあり、幼い頃から聖歌隊で歌っていた。19歳の時にソウル・スターラーズのリードボーカルとしてデビュー。1957年にはソロ歌手として「ユー・センド・ミー」がヒットしてスターとなった。
その後も軽快な歌からメッセージ性の強い「ア・チェンジ・イズ・ア・ゴナ・カム」のような幅広い歌を歌いこなすシンガーとなるが、1964年にロサンゼルスで射殺されてしまう。享年33歳。その影響は黒人・白人問わず多数に渡っている。
サム・クックは昔購入したソウルのベスト盤オムニバスカセットで「ユー・センド・ミー」や前回のアート・ガーファンクルのアルバムでも取り上げていた「ワンダフル・ワールド」を歌っていて、軽さの中に心地よさと安心感を与えるような素敵な歌声を聴かせていたシンガーとしてずっと気になっていた。
そんな中、いつものように大学の帰り道にタワーレコードに寄った時にこのジャケットが目に入った。堂々とした余裕のあるいかにも伝説のシンガーといった佇まいのその肖像画に惹かれて、
「きっと、いいアルバムに違いない!」
と思い、そのレコード盤を4000円で購入した。
いつものように、自宅のプレイヤーのターンテーブルに乗せ、針を落とした。
予想に反して熱い歌が流れてきた。先ほどのヒット曲しか知らない自分は、
「熱い歌だ!でもこれは、これでいいな~!」
すっかり、ご満悦状態になってしまい、レコード2枚組を最後まで一気に聴いた。
最後の「ア・チェンジ・イズ・ア・ゴナ・カム」は言葉の意味は分からなかったが、なぜか涙が溢れた。
後でこの歌の歌詞の意味が分かったのだが、
「長い間辛い思いをしてきたけど、変化は訪れるんだ、そうだきっとそうなるよ」
ということを歌っていたのだ。
アメリカの黒人音楽を語る上では必ず避けて通れない「人種差別」という現実。
彼のようにスターになっても差別と闘わなければならなかったことを考えるとアメリカ社会の複雑さが音楽からも伝わってきたことを今でもよく覚えている。
ところで、当時ソウルファンや音楽評論家がこの「ア・チェンジ・イズ・ア・ゴナ・カム」などを高く評価する一方、「ユー・センド・ミー」や「ワンダフル・ワールド」は単なる売れ線のポップソングだという風に言われていた。
私自身は彼の熱い歌も大好きなのだが、実はその時は彼の軽めの歌の方が好きだった。
適切な例えかどうかわからないが、私は「焼肉」と聞いて、反射的に「焼肉定食」を思い出してしまう性分だ(笑)。
炭火で焼いた本格的な焼肉ももちろん大好きなのだが、そんなもの胃が持たれるので毎日食べられない。
またグルメな方(=マニアな方)からすると焼肉は奥が深く「ちゃんとしたものをちゃんとした手順でちゃんとした作法でいただく」ことが当たり前だろう。
これはこれで正論!しかし、私にとっては覚悟が必要だ(苦笑)。
自分にとっては定食屋の「焼肉」で十分なのだ。
そして、そんな「焼肉定食」が自分は大好きだ!
サム・クックの歌の凄いところは本格的な歌も軽い歌も同じように聴き手の心を動かすところだと思う。
まるで彼は、本格的な「焼肉」でも定食屋の「焼肉」でも「おいしい焼肉」として提供する天才的な料理人のようだ。
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購入履歴20枚目の記事はこちらです。
『音庫知身』ー妻からひとことー
私は昔から音楽のジャンルに疎く、ソウルミュージックも全然わからなかった。
現在の音楽事情は幅広くて、それこそクリックひとつで現代と過去を瞬時に行き来できる環境になったのはすごいことだと思う!未来を感じさせるものも存在する!
でも、時々この音楽は、このジャンルは、どのような歴史を辿ってきたのかと考えるとオモシロくて、だんだんシンプルに削ぎ落とされていき、そこには何が残っているのかを確かめてみたい欲望がムクムクと姿を現してくる。
そんな歴史をこれからどんどん聴かせてくれることに期待したい!
本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)
今回はレコードのみを購入しています。
現在の音楽棚購入累計金額 ¥63,500
※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。