【コラム】音楽をより深く楽しむためにオリジナルアルバム単位で聴いてみよう!
こんにちは。
今日は『音庫知身』をより楽しんでいただくために、音楽棚のコーナーを小休止しまして、我流ですが「音楽の聴き方」についてお話していこうと思います。
今日はあらゆるエンターテインメントの中で音楽に関心がある方向けの記事です。
ですので、音楽を聴くこと自体が時間の無駄だと感じている方には今日のお話は正に時間の無駄になってしまうので、これ以上読み進めないことをお勧めします。
音楽はオリジナルアルバム単位で聴いてみよう!
この記事をご覧の方は普段どのようなシチュエーションで音楽を聴いていますか?
ドライブや通勤通学の時にBGMとして活用している方も多いと思いますが、そもそも人間がなぜ音楽を聴いて泣いたり、励まされたりするのでしょうか?
いろいろな意見が出てきそうですが、私は大きな理由として、
「歌や音楽を通してその中にある物語やドラマをアーティストと共有できるから」
だと思います。
つまり、音楽を通して自分とアーティストが物語や体験を共有して、同じ地平線上で感情やおもいを分かち合うこと、これが音楽を聴くことの最大の楽しみだと言えるのではないでしょうか。
そのためには映画を観るように、小説を読むように、ロールプレイングゲームをするかのように音楽に深く入り込んで聴き込む必要があります。
それにはいくつかの方法がありますが、今日はまず簡単にできる方法を紹介したいと思います。
それは「オリジナルアルバム」単位で音楽を聴くこと!
これが音楽を今まで以上に深く聴き込むようになる第一歩です。
「いやいや、その前に1曲を聴き込まないとダメだろう~」
そんな反論も聞こえてきそうですが、実は意外にも一曲を集中して聴き込む方がより難しいです。
一曲を聴き込むことから始めることは、例えば、サッカーや野球、バレーボールをプレイして楽しみたいと思っている際に、シュートやフリーバッティング、アタックやレシーブの練習を一生懸命完璧に行ってから、試合に臨もうとしていることに似ています。
確かに、これらの練習は試合に勝つためやよりプレイを楽しむためには重要ですが、そのスポーツを好きになるにはまず、そのスポーツ自体の楽しさに気づかなければなりません。
実は音楽を深く聴き込むことにもスポーツをする時のような基本練習や筋トレなどが必要なのですが、スポーツの楽しさに気づくにはまず何人か集まって、実際にルールに則って試合をやってみることが重要ですよね。
まずはそのために一曲を集中して聴くのではなく、オリジナルアルバムを通して聴き、音楽の物語を感じることや触れること自体に慣れることが必要です。
音楽をより深く楽しむことができる方法とは?
今日、音楽はネットでのダウンロードやストリーミング、CDでもオムニバスやコンピレーションで楽しむのが主流となっております。
こんなことは、私が音楽に目覚めた頃では考えられなかったことで、これはこれで素晴らしいことだと思います。
しかし、自分の好きなアーティストの好きな曲をランダムに再生できるということには実は大きな落とし穴があります。それは、
「好きなアーティストのメッセージをきちんと受け取っていない」
ということです。
これはリスナーの立場からすると、どうでもいいように思えるかもしれませんが、音楽を深く楽しむ時には重大な問題があると思います。
アーティストが音楽活動している目的としては、次のような理由が考えられます。
- 自分の音楽を沢山の人に聴いてほしい。
- 自分の音楽が売れてほしい。
- 音楽を通して自分のメッセージをきちんと伝えたい。
1,2は言うまでもないでしょう。しかし、3に関してはリスナーが好きな曲を好きな順番で再生して聴いているということで、アーティストが伝えようとしているメッセージが正確に伝わっていない場合もかなりあるのではないかと私には思えます。
例えば、結婚式などでよくある自分の生い立ちから現在までの人生を、自分の写真を使って他人に紹介する機会で考えてみましょう。
自分の写真が小学4年生→現在→中学2年生→3歳→大学3年生→新生児→2~3年前…といった順に紹介されたとしたらどうでしょう?
見ている方は「なぜこの順番?」と混乱して訳が分からなくなるし、伝える方としてもこんな風に伝えることはよほど何か特殊な意図がない限りしないと思います。
アーティストがアルバムの曲順や曲間にこだわりがあるのは、まさに曲自体の内容だけではなくアルバム全体を通して一つの物語を作っていることが大半です。
しかし、それに反して曲をランダムで再生すると曲と曲の関係性が絶たれて、アーティスト個人の成長の過程も無視されているため、アーティストが意図しない形でリスナーに曲が聴かれることになってしまいます。
しかし、ランダム再生に慣れたリスナーはそんなことも気づけないため「このアーティストはこんな感じなのか…」と何の疑問も持たずに聞き流してしまう。
つまり、好きなアーティストにも関わらず、ちゃんとその曲やアーティストの曲順や曲間に込めたメッセージを汲み取れていないということです。
アーティスト自身が一曲一曲を全く単体の物として切り分けているのなら別ですが、アーティストはその曲だけでなく曲が集まった集合体であるオリジナルアルバムの曲順などにも細心の注意を払っており、曲順や曲間にもメッセージがあります。
アーティストは一曲の中だけで物語を語っているのではなく、アルバムというフォーマットでもメッセージを発していることが実際はとても多いです。
ベスト盤をなかなか出さないアーティストは、実はそんなこだわりを持っているのではないかと思われます。
ですので、好きなアーティスト、好きな曲に出合ったら是非、オリジナルアルバムで聴くことを強くお勧めします。しかも、できれば「つまんない曲だな~」と感じても曲飛ばしをせずに、そのアルバムを最低3回聴くことをお勧めします。
人間の集中力は45分までが限界とも言われておりますので、そんなに気合いを入れて聴き続ける必要はないですが、自分ができる範囲で歌詞の持つ意味や語感、楽器などの音の感じをざっくりとでもいいので味わってほしいです。
例えば「この歌の主人公は今こんなことをしているんだな~」とか「このギターの感じ好きだな~さらさらと水が流れるような感じがして…」、「この低音の音は何の楽器だろう…遠くで地響きがしているように聞こえる…」など自分の感覚でいいので、音の中に自分の身を置いて遊ぶような気持ちで聴き込むといいと思います。
そういった聴き方を習慣化すると、ある日突然音楽の聴こえ方がまるで変ったことに気づくことがあります。今まで感じなかった感情が湧いてきたり、気持ちが揺さぶられるようになり、音楽で泣いたことがないのに突然涙が溢れてくるようになったりします。
それは以前より音楽を深く聴くことができるようになった証拠だと言えます。
音楽を深く聴けるとどんなメリットがある?
では、アルバム単位でじっくり音楽を聴くようになるとどういったメリットが生まれるのでしょうか。沢山出てきそうですが、主に3つ挙げたいと思います。
- 音楽通だと思われる。
- 音楽がより深く自分に入ってきて、人生が豊かに感じるようになる。
- 生活コストが下がる。
1に関しては他人にそう思われたい人にはメリットです(笑)。音楽好きの方は周りにもいらっしゃるかと思うので友達を増やしたい方には有効です。またじっくり聴くことで色々な音に対して感受性が増して、自分で色々と好奇心が湧いたり、知識欲が増えるので結果として音楽通に近づきます。また、そういった体験を通じてミュージシャンの内側に触れたり、音楽について深く考えることができるようになります。それは自分の生き方を変えるものにもなっていきます。
2については音楽がより身近となり、音楽が親しい友達のようになることで心の安定や癒しが生まれ人生が豊かになります。ダンスミュージックのような開放的な音楽は別として、私にとって音楽を聴くという行為は一対一での個人的な意見やおもいの交流のように感じています。そこではアーティスト自身の喜びや悲しみといった喜怒哀楽をも共有できたりします。音楽を深く聴けるようになって、自分だけのかけがえのないとっておきの時間を過ごす体験ができる人生を送り、本当にありがたいと私は強く思います。
3はなんのこっちゃと思われるかもですが、音楽を深く聴き込むことで生活コストが下がることが考えられます。というのも今の時代、Spotfyなどのストリーミングを利用したり、YouTubeなどを利用すればほぼ無料だったり、せいぜい月定額1000~2000円程度で古今東西の最新ヒットから昔のマニアックな音楽まで、高音質でどこでも楽しめるようになりました。まさに奇跡としかいいようがありません。
今でも映画館で映画を観れば一回2000円程度かかりますし、最新のハードカバーの本もそれくらいはします。それと比べると便利なサービスを選んで使いこなせれば、音楽を楽しむというのは、他のエンターテインメントと比べかなりコスパがいいように思えます。
しかも、今はスマホで楽しめますから音楽棚も必要ではありません。
音楽を楽しむには今は本当にいい時代です。お金をかけないでお気に入りの曲を堪能できるのですから、こういった理由でも音楽を深く聴くことをオススメします。
自分だけのプレイリストも作成できる音楽アプリSpotifyはこちらです。
特典がいっぱいのAmazonの音楽関連サービスもあります。
まとめ
今の時代のように情報は圧倒的に少なかったので、当時の私は聴きたい音楽を探すのにも必死でしたし、生活のすべてが音楽中心でした。こういう生き方は全くお勧めできませんが、音楽を通して生涯の伴侶や友人を見つけることができました。
まさに音楽には感謝しかありません。
音楽を映画や小説のように深く楽しむために、オリジナルアルバム単位で聴くことお勧めしましたが、これは音楽を楽しみ尽くすことはもちろん、音楽を通して誰かとつながりたい、自分という人間を知りたいということにも通じます。
是非、素晴らしい人生を送るためのヒントに音楽を活用してください。
この記事がそんなあなたのリスニングライフの一助になることを切に願っています。
それでは、また次回(^^)/~~~