ココロドリの音庫知身

音楽とそれにまつわるトピックについてのブログ

【カクテルサウンドトラック ビーチボーイズ/ココモ】~予期せぬ身内からの逆襲に驚愕!~

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!15枚目

本日の棚からひとつまみは「オムニバス・ベスト盤」列から、音楽棚に最新サントラの登場!

 

 

「カクテル・サウンドトラック  ビーチボーイズ/ココモ」


【輸入盤LPレコード】Soundtrack / Cocktail (Limited Edition) (180 Gram Vinyl)(サウンドトラック)

 

 神様のプレゼントが来たと思ったら、悪魔の仕業かと当時本気で思った。 

 ブライアン・ウィルソンの極上ポップスアルバムがリリースされて、

「自分の時代が来た」 と勝手に錯覚し、一人でも多くの人にこの素晴らしい音楽が届いてほしいと切に願っていたのだが、そんな時、正に晴天の霹靂の出来事が起こった。

 

ブライアンのソロアルバムの発売とほぼ同時にビーチボーイズの新曲がリリースされた。

通常なら盆と正月が一気にきたような歓喜に湧くはずだが、この出来事は事情がちょっと違っていた。

 

なんとリーダーのブライアン・ウイルソン抜きで、曲作りからプロデュースまで行われて、しかも当時ハリウッド人気ナンバー1の若手俳優トム・クルーズの映画カクテルの主題歌ときたら、ヒットしないはずもなかっただろう。

 

ブライアンの「ラブアンドマーシー」が本人の予想に反して全米チャート50位台までしか上がらなかったのに対して、「ココモ」はあっという間に抜き去り、ついに「グッドバイブレーション」以来の22年ぶりの全米ナンバー1ヒットとなった。

 

 

 

日本でも当時街を歩くと聞こえてきたし、夜のヒットスタジオでも「伝説のバンド、ビーチボーイズ」としてテレビにも出演した。

司会の古館伊知郎と柴俊夫が「懐かしいですね~。いいですね~。」なんてアナウンスをしていたが、

「このおっさんたちビーチボーイズになんの思い入れもないんだな」って

私は冷めた目で見ていた。

 

ココモがヒットすればするほど頑なになり、

「こんな曲どこがいいんだろう?」

と孤独に感じるようになっていった。

 

どんな事情があったのか知る由もなかったが、その時は大切なものを勝手に踏みにじられたような気がしたのを覚えている。

 

 

この後、数年間はこの曲のせいでビーチボーイズはサーフィンバンドからトロピカルバンドと見なされてしまい、ダウンタウンウッチャンナンチャンがタッグを組んだお笑いバラエティー番組「夢で逢えたら」でも「ビーチボーイズ」としてネタにされるようになった。

 

当時洋楽ロックが好きな連中とバンドも組んでおり、友達の家でよくこの番組を観ていたが、この番組の「ビーチボーイズ」が出ると皆は爆笑していたが、私だけは笑顔が引きつっていた。

 

しかし、カクテルのブームも驚くほど一瞬で過ぎ去り、ココモもビーチボーイズも世間から忘れ去られるのも時間の問題だった。

 

このカクテルのサウンドトラックも出てしばらくしてから購入し、2~3回聴いてレコード棚の隅に追いやっていた。 

 

それからまた数年後に思い出して、試しに聴いてみたら意外に良かった。

ココモの他に大ヒットしたボビーマクファーリンの「ドントウォリー、ビーハッピー」を始め、ジェファーソン・スターシップ、ジョージア・サテライツ、ジョン・メレンキャンプライ・クーダーのパフォーマンスそしてリトル・リチャードの「トゥッティ・フルッティー」までが収録されていた。

 

「よく聴くと結構いいじゃん!」

 

私はこのアルバムを少し見直した。

 

そして「ココモ」を改めて聴くと、

 

「ブライアン抜きでも意外にいい曲作るじゃん!」

 

と肯定的に捉えられた。

時の力は素晴らしい。時間が経て聴くと冷静になれる。

 

そんな音楽の聴き方を教えてくれた一枚ともいえるだろう。

 

 

ーおまけー

この曲の作詞・作曲、プロデュースのクレジットを見るとオドロキ!

 

作詞・作曲   マイク・ラブ(ビーチボーイズ)

        テリー・メルチャー

        ジョン・フィリップス

        スコット・マッケンジー

プロデュース  テリーメルチャー

 

これを野球に例えると、長嶋、王、金田そして野村克也が同じチームで野球をやるようなもの!正にアメリカ西海岸ミュージックのレジェンド。

 

これから音庫知身に出てくる名前ばかりだ!

 

 

 購入履歴14枚目の記事はこちらです。 

合わせてビーチボーイズの記事もご覧ください。 

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『音庫知身』ー妻からひとことー

あらためて聴いてみると、『カクテル・サウンドトラック』も映画を観ていなくてもイメージが膨らんでくるような素敵なアルバムに仕上がっている。

ブライアンのソロアルバムが発売された時のエピソードについては、妻の私も今回この記事で知ってなんだか複雑な気持ちになってしまった。

私は、個人的にやっぱりブライアンのソロアルバムにとても惹かれてしまうし、『ペットサウンズ』に魅かれたのもおそらくブライアンの内面からくる音だったのだと確信した。だけど、グループでのバンド活動は色々あるとは思うけど解散せずに今もなお存続できているのはすごいことだなーと思う。

 

 

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 現在の音楽棚購入累計金額 ¥36,000 

※累計金額は、夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 

【ブライアン・ウィルソン/ソロ】~これで私は救われた!極上の癒しポップス~

 

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!14枚目 

本日の棚からひとつまみは「B」列から、「ブライアン・ウィルソン/ソロ」

音楽棚に初の新譜レコード登場!

 

 

ブライアン・ウィルソンBrian Wilson

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これは神様からの贈り物としかいいようがない。

 

その頃は私は毎日ビーチボーイズの2枚組カセットを何度もヘービーローテーションさせていた。 世の中では光GENJIが音楽界を席巻しており、折からのバンドブームで全国津々浦々のバンド少年たちはボウイに夢中だった。

 

「こんな時代にビーチボーイズなんて聞いている人間は日本で何人くらいいるんだろう?」

 

たまにそんなことを思いつつも、ハーモニーや曲やサウンドそのものの魅力には抗えずに、中毒のように聴きまくっていたのを今でも覚えている。

 

 

そんな中、大学の夏休みに入る前にロック評論家の渋谷陽一がDJをしていた深夜ラジオを聞いていて、その中の一言に度肝を抜いた。

 

「ビーチボーズのブライアン・ウィルソンのソロアルバムが近日発売する」

 

眠気が一気に吹き飛んだ!

 

翌日か翌々日にはタワーレコードに行って、このアルバムのレコードを手に入れていた。

早速家に帰って、針を購入しアンプを直したばかりのレコードプレイヤーで再生する。

ラジオでは触りだけしか聞けなかった「ラブ アンド マーシー」に言葉が出なかった。

 

「誰この人? これ本当にブライアン?」

 

ブライアン・ウイルソンという人はファルセットシンガーでビーチボーイズのコーラスでは主にキーが一番上の部分を担当していた。

繊細でナイーブさが持ち味だったその声は、見る影もなくしゃがれたおじさんの声に変っていた。

 


Brian Wilson - Love And Mercy (Official Music Video)

 

愛と慈悲の心

今夜その心が必要なんだ

そうさ、愛と慈悲の心

今夜その心を君と君の友達に贈るよ  ラブアンドマーシーより

 

その声、そのサウンド、そして一人で紡いだビーチボーイズのような芳醇なハーモニー!

何もかも、衝撃的だったし、新鮮だった。

今、まさに生まれた感じがする音楽、自分に語りかけてくるような音楽

 

とても50歳手前の人間が作る音楽とは思えない。

音楽界のレジェンドとは思えないほどフレッシュな音楽!

 

 

さらに続く「メルトアウェイ」

 


Melt Away - Brian Wilson - TheJohnC.

 

世界は僕を待ってなんかくれない

気にかけてなんてくれないんだよ

まるで無人島にでもいるような気分さ

君の笑顔を見るまではずっとそうだったんだ

でも君の笑顔をひとたび見ると

自分の悲しみが消えていくのがわかるんだ

 

 私はこの曲で泣いた!泣いたというより号泣した。

自分の中にわだかまっていた悲しみがすこしずつ消えていくのを感じずにはいられなかった。

 

ビーチボーイズの音楽は底抜けに明るい。しかし、その明るさの中にこんな要素が詰め込まれていたんだとその時初めて感じとれた。

 

「音楽にただ耳を傾けるだけでこんなにも温かい心持ちになれるんだな」

 

私はとても穏やかな気持ちになった。

 

このアルバムは今まで自分自身が悩んだ時や悲しい時にさんざん聴いてきた。

この音楽に救われたことに何度「ありがとう」と言えばいいのだろうか。

 

しかし、そんなことも束の間、予期せぬ事態が待っているとはその時の私には全く想像できなかった。

 

 

 

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『音庫知身』ー妻からひとことー

『ラブ アンド マーシー』『メルトアウェイ』。これは是非多くの人に聴いてみてもらいたい!本当に素晴らしいと思う!

ビーチボーイズのアルバム『ペットサウンズ』がとても好きだった私だったけど、夫から教えてもらったこのブライアンのソロアルバムを初めて聴いた時は胸から喉元、目頭が熱くなったのを覚えている。

英語詞を聴いただけで理解できるはずもなく、何を歌っているのかもわからなかったけど、メロディーとそのハーモニーを聴いただけで何かが伝わってきた。

歌詞を見てからはもう夫と同様で涙があふれてきてしまった。

そういえば、むかし『ラブ アンド マーシー』を自分なりにカバーしている夫の録音テープを聴いた時も背景を考えて涙が止まらなかった。

 

心を動かす音楽は人を救う!!

 

 

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【シャウト!シャウト!シャウト!】~リトル・リチャードの精神を受け継いだライバル、息子、孫たち~

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こんにちは!

 

先日ロックンロールの創始者の一人、リトル・リチャード を取り上げました。

実は惜しいことに彼は今年の5月に87歳で亡くなりました。

彼の音楽からは素晴らしいパワーやエネルギーを沢山いただきました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

 

リトル・リチャードはロックの歴史ではかなりの重要人物なのですが、残念ながら日本での知名度はいま一つです。

今日はいい機会なので、この方が後世のアーティストたちにどれくらいの影響力があったかを実際の音盤を聴きながら振り返っていきましょう。

 

今日ご紹介するのはリトル・リチャードの精神的ライバル、息子、孫たちです!

それでは、いきましょう!

 

 

エルヴィス・プレスリーハウンド・ドッグ 

Hound Dog

Hound Dog

  • provided courtesy of iTunes

 

この曲のオリジナルはビッグ・ママ・ソーントンという女性歌手ですが、この曲は彼の代表曲ともなり、こちらのバージョンの方が有名になりましたね。リトル・リチャードのバージョンも迫力があり甲乙つけがたい出来ですね。エルヴィスはリチャードの代表作の「のっぽのサリー」もカバーしております。まさに同時代で大活躍したライバルですね。

 

 

 

 

ザ・ビートルズ/アイム ダウン  

アイム・ダウン

アイム・ダウン

  • provided courtesy of iTunes

 

ビートルズもリチャードからの影響は大きく、特にポール・マッカトニーのシャウトスタイルはまんまリトル・リチャードです。彼らはライブの最後で「のっぽのサリー」のカバーで締めることが多かったのですが、この曲はそれに代わるレパートリーとなったみたいです。

 

この曲をレコーディングした同じ日にあの「イエスタデイ」を録音したそうです。

 

このことを友人から教えてもらった時はビックリしたのを今でも覚えております。

 

 

 レッド・ツェッペリン/ロックン ロール  

Rock and Roll

Rock and Roll

  • provided courtesy of iTunes

  

ツェッペリンの代表曲というよりもハードロックを象徴する一曲!

この曲はドラマーのジョン・ボーナムがリチャードの「キープ・ア・ノッキン」を叩いて、それにギターのジミー・ペイジが即興で合わせたリフが基になって偶然に生まれたそうです。ボーカルのロバート・プラントのシャウトも炸裂しています。

 

絶頂期だった彼らがなんと15分くらいでほぼ完成したとも言われ、個々の才能とその場の力、そして絶妙のタイミングといった「奇跡のバンドの奇跡的な瞬間」でしか生み出せないミラクルな一曲です。

 

 

ディープ・パープル/スピード キング  

Speed King (Piano Version)

Speed King (Piano Version)

  • ディープ・パープル
  • ハードロック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

後のハードロック・ヘビーメタルの方向性を決めた一曲! 

半世紀も前の1970年発表。今聴いてもとってもスリリングな一曲です。

 

この曲の詞は作詞経験のなかったボーカルのイアン・ギランが、リチャードの「トゥッティ、フルッティー」「グッドゴリー、ミスモリー」「リップ、イット、アップ」などの50年代ロックのフレーズをただ持ってきただけだと語っています。

 

50年代ロックの猥雑さやいい加減さが、時を越えサウンドを変えて70年代に復活したようにも聞こえます。この「イイ加減」さがロックだと私は思います。

 

リップ・イット・アップ

リップ・イット・アップ

  • リトル・リチャード
  • ポップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

  

 

オーティス・レディング/「愛しすぎて」  

愛しすぎて

愛しすぎて

  • provided courtesy of iTunes

 

オーティス・レディングは数ある黒人のシンガーでも別格に当たると言われております。そんな彼は生前からリトル・リチャードの影響を公言しておりました。

 

オーティスは飛行機事故で26歳の若さで亡くなり、活動期間も数年しかないのですが、彼の歌に影響受けたシンガーは数知れず、すべての黒人音楽ファンには彼の存在はレジェンドです。

 

この「愛しすぎて」はオーティスの代表的なバラードです。彼の歌の凄いところは表現のレンジが広いところだと私は思います。

耳のそばでやさしく語りかけているかと思うと、次の瞬間、強烈なシャウトで思いのたけを告白するというスリリングな展開に持ち込む…。しかもそれが神がかり的に自然だったりするのです。

 

なぜか、彼の歌を聴くと北島三郎さんの全盛期の歌を思い出してしまいます。

 

 

プリンス/レッツ ゴー クレイジー 

Let's Go Crazy

Let's Go Crazy

  • プリンス&ザ・レヴォリューション
  • R&B/ソウル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

私が中学生の時プリンスはヒットを連発していただけでなく、音楽シーンの最先端を突っ走っていました。

彼の存在、言動そして音楽が私の心を捉えておりました。今にしてみれば、密かにアイドルのように見ていたように思います。

その彼は音楽だけでなく、在り方そのものもリトル・リチャードの影響を受けています。

 

私がリトル・リチャードのカセットテープのジャケットを初めて見た時、

「なんか、プリンスみたいだな」

と感じたのですが、音楽スタイルやルックスだけではなく、ゲイという共通点があったことを後々分かりました。

 

プリンスはジミ・ヘンドリックススライ・ストーンや他の先達の影響もかなり感じるのですが、このカッコイイシャウトにもリチャードの影がちらついているように私には聴こえてしまいます。

 

プリンスもこの世にはもういませんが、今頃リトル・リチャードと合流して天国で素晴らしいセッションをしていたら凄いでしょうね。そこにはマイケル・ジャクソンもいたりして。

 

そんなの聴けるのならあの世もいいかと思う音楽ファンは、世界中にいっぱいいそうですね…(^-^;

 

今日はシャウト!シャウト!シャウト!と題して、リトル・リチャードの精神を受け継いだライバル・息子・孫の音楽を通してその素晴らしさを紹介しました。

 

 これをきっかけに素晴らしい音楽に触れていただけることを切に願います。

 

それでは、また次回お会いしましょう(^O^)/

 

 

本日ご紹介した楽曲が収録されているアルバムをご紹介します!

 


エルヴィス・プレスリー CD3枚組 3ULT-103

 


パスト・マスターズ vol.1&2

 


レッド・ツェッペリンⅣ

 


イン・ロック(SHM-CD 紙ジャケット CD)

 


オーティス・ブルー

 


レイヴ完全盤(ULTIMATE RAVE)(2CD+LIVE DVD)(ライヴ映像付3枚組)(DVD付)(特典なし)

 

【ビーチボーイズ Do It Again】~私のタワレコデビュー~

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!13枚目

本日の棚からひとつまみは「B」列から「ビーチボーイズ

音楽棚にいよいよレコード盤が登場!

 

 

ビーチボーイズ Do  It  Again 」

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大学に入って、5日後についに念願の店に行った。

 

タワーレコード」だ。

僕にとってタワーレコードの黄色い袋と赤いロゴはちょっとした憧れでもあった。

 

当時、タワーレコードは輸入盤専門店だったせいもあり、洋楽マニアの特別な場所のように思えた。

洋楽好きの兄がホール&オーツやファイン・ヤング・カーニバルなどの輸入盤をタワーレコードで買ってきてよく家で聴いていた。

隣の部屋からほのかに香る輸入盤独特の「ビニールの匂い」と、畳の上に無造作に捨てられていた黄色い袋に赤いロゴのビニール袋を見るたびに、密かに憧れが募っていったのを今でも覚えている。

 

音楽に対して周りの友人たちには既に一言居士だった僕は、誰も聴いていないような音楽を見つけてきては、密かに楽しんでいた。

 

心のどこかで、

「お前らとは違うんだよ!」

ってイキがっていただけだったのかもしれない。

 

そんな今でいう「中二病」的なメンタリティーを持っている自分にとってはタワーレコードは音楽マニアが必ず通る登竜門、マストなショップに間違いなかった。

 

そんなタワレコも僕にとっての目的は一つ、ビーチボーイズのオリジナルアルバムを手に入れる事だった。

その日は何かドキドキしながら、ファッション専門店のビルの4階か5階にあったフロアを目指した。

 

その階に着くと他のアーティストのコーナーには目もくれず、一目散にB列に向かった。そしてついに見つけた「The Beach Boys」の文字を!

ライナーノーツで見た「All summer long」「Shut down Vol.2」「Summer Days」…等々アルバムごとに白い見出しがあったが、そこには一枚もレコードが入っていなかった。がっかりして、ビーチボーイズのコーナー全体を再度見渡すと一枚だけレコードがあった。

 

そのレコードには、

「The Beach Boys Do it Again」

 

と大きな文字でタイトルが刻まれており、ビキニの女性が波打ち際でサーフィンをしているジャケット写真だった。

 

「そんなアルバム知らないよ!」と思い、裏ジャケを見るとベスト盤で聴いた彼らの曲がランダムに10曲並んで収録されていた。

 

「単なるオムニバスか!こんなのが目的じゃないのに、でも他にビーチボーイズのレコードがないからしょうがないか…。」と思い、2000円出してそれを購入した。

 

残念な気分でいっぱいだったが、憧れのタワーレコードデビューはあっけなく5、6分で終了した。

たかだかレコード店に行っただけなのに、はじめてお酒を飲んだ時のようなドキドキ感。しかしそれは次第に薄れていき、一年くらい経ったときは近所のコンビニにでも行くかのようになっていったのは、その時知る由もない。

 

 

家に帰り早速、就職した兄が残していったステレオでレコードを聴こうと思ったのだが、レコードの針が外されており、アンプも電源が入らずに壊れていたため聴くこともできなかった。

 

「レコードを揃える前に針とアンプをなんとかしないと…。」

 

その時僕はジリ貧で、始めたばかりのアルバイトでどれくらいお金が入るかまだ分からなかった。

いつになったらレコードが聴けるのか不安にはなったが、早くいろんなレコードを聴きたいという衝動は止めようもなかった。

 

今にしてみれば、分からないことだらけ、乗り越えなければならない壁ばかりだったが 

ここから僕のアメリカンポップス・ロックのレコード旅行が始まった!

 

Do It Again

Do It Again

  • provided courtesy of iTunes

  

 

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『音庫知身』ー妻からひとことー

タワーレコード

なんだろうね、なんでか自分も憧れた記憶がある。わざわざ都市部まで出かけて行って、僅かなお小遣いでたった1枚のレコードを買う。今考えるとそのレコードもその時間も貴重だよね!

レコードってジャケット写真がまたお洒落じゃない?

気に入ったものがあると部屋に飾ったりして、地震で落っこちちゃう…みたいな(笑)

それにしても、やっとミュージックテープの存在が薄くなってきたなー。夫の音楽棚にCDが並び始めるのもそろそろかな・・・。

 

恒例!本日の消費累計金額はこちら(*ノωノ)

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥32,000  👈まだまだ序の口よね(*^^*)

※累計金額は、夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 

【リトル・リチャード】~シャウトはロックの魂!~

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!12枚目

本日の棚からひとつまみは「L」列から「リトル・リチャード ベスト」のミュージックテープをご紹介します!

音楽棚にいよいよロックンロールが登場!

 

 

「リトル・リチャードのベスト盤」

 

すっかりアメリカンポップスにハマっていた私はついにロックンロールの核心に迫ろうとしていた。

 

それは偶然の出来事だった。

たまたま、自宅でNHKの総合テレビを流していたら、確か

「ロックンロールのパイオニア」ってタイトル番組で

リトル・リチャードの特集をやっていた。

 

ピアノに足をかけながら弾いていて、音楽に合わせて絶叫していた。

 

そう、歌ってたのではなく、絶叫していたのである。

 

Long Tall Sally

Long Tall Sally

  • リトル・リチャード
  • R&B/ソウル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

Keep a Knockin'

Keep a Knockin'

  • リトル・リチャード
  • ロック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

 

 

当時は山下達郎ビーチ・ボーイズを始めとしたバラードでもアップテンポな曲でもメロディアスでハーモニーが重視されていた曲ばかり聴いていたので、まさに音楽を聴いているというより、絶叫を聴かされているような感覚と衝撃を受け、

 

「なんか、いいんだか悪いんだかよくわからないけど、もっと聴いてみたい」

 

という衝動に駆られて、番組が終わってから、即レコード店に急いだ。

 

カセットで2000円くらいだったが、これはCDやレコードで聴くより迫力があった。モノラルで音が籠っていて、録音状態があまり良くない音源だったが、逆にそれが功を奏して、鬼気迫る音楽のように感じた。

 

大学に入り鬱屈していた自分の気分や、日ごろのモヤモヤを吹き飛ばしてくれる実に痛快な音楽だった。

 

これぞ正しくロックのカタルシス、快感そのものだった! 

 

自分の中では音楽を聴くことは、心地いい音の流れに身を任せること、それを心から楽しむことだと思っていた。その思いは今もほとんど変わっていない。

 

しかし、リトル・リチャードの絶叫を耳にした時、自分の中のもう一つの音の感性が一気に広がったような気がした。

人間の根源的な魂の叫び。こういうストレートな表現ができる音楽って素晴らしいと痛感した出来事であった。 

 

因みに私はリトル・リチャードの曲は音楽というより叫びに近いと思う。音楽的なフォーマットに乗っかった叫び、これがロックの魂、核心なのかもしれない。 

 

 

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『音庫知身』ー妻からひとことー

本当の魂の叫びを音楽で表現した時に民族音楽・R&B・ゴスペルなど色々とあると思うが、ロックという形でメディアの発達とともに広く受け入れられるようになったのがリトル・リチャードだったのかもしれない。

いつの時代もやはり名を残すには『時』を掴むというのが『運』のカギとなるように思える。

そういえば最近は広瀬香美がピアノに裏拳やら足やらを使ったちょっと過激なパフォーマンス動画をUPして話題になっていて、これはもしかしたら本当のリトル(少し)・リチャードなのかな...(笑)

 

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 現在の音楽棚購入累計金額 ¥30,000  (*^^*)

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