ココロドリの音庫知身

音楽とそれにまつわるトピックについてのブログ

【 山下達郎/ 僕の中の少年】~少年への決別と次世代への継承を歌い上げた大人のポップソング!~

 

『音庫知身~ある男の音楽体験史~』をお読みいただきありがとうございます。

 

本日、はてなブログさんよりTwitterで当ブログを紹介していただきました!

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今後もコツコツと続けていければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします! 

  

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!22枚目

本日の棚からひとつまみは「T」列から、「山下達郎/僕の中の少年」。

1988年10月リリース。人生で初めて発売日当日に買った待ちに待ったアルバム。いち早く通学の帰りの電車の中で聴きたかったので、久しぶりにカセットテープで購入しウォークマンで聴いた。その後、レコードとCDでも購入した。

 ※人物名は敬称略

 

 

山下達郎/ 僕の中の少年」 

https://m.media-amazon.com/images/I/41Sxw3FAIEL.jpg

 ※画像はCDのジャケット写真です。

 

 

私が 音楽を深く聴くきっかけになったのは、山下達郎の「風の回廊」とそれを収録したアルバム「ポケットミュージック」だ。

 


POCKET MUSIC

 

その後、山下達郎の音楽や彼のラジオを通して様々な素晴らしい音楽に巡り合ってきた。その頃はすでに音楽が生活の中心になっていたような気がする。

 

このアルバムが発売すると決まった時から、ウキウキしていたのを今でも覚えている。なんか久しぶりに故郷の懐かしい先生に会いに行くような感じとも言えばよいのか…。 

 

発売日当日、すっかり夏も終わってその日はすっかり秋めいた日だったと思う。

その頃、丁度、昭和天皇の体調が思わしくなくなりテレビのニュースでは連日、昭和天皇の今日のご病状として体温や脈拍まで事細かに報道されていた。

 

バブル経済が絶頂に差し掛かっている中、世の中が少し落ち着いたちょっと暗いムードになっている時にこのアルバムが発売された。

 

アメリカンポップスやソウルミュージックばかり聴いていた自分にとって、その頃聴いていた唯一の日本語の歌だった。久しぶりに聴いて山下達郎の歌がどのように感じるのか興味深かったし、なぜか怖くもあった。

 

 

駅前のレコード店に行き、店頭に山積みされていたレコードの横にあったこのアルバムのカセットテープに手を伸ばし、それをレジに持って行った。価格は3000円だった。

 

その店を出て、電車に乗るためプラットフォームに向かい、ホームのベンチに座って急いでケースのビニールを剥がし、カセットと歌詞カードを取り出し、ウォークマンのデッキに突っ込み再生した。

 

リズミックなシンセのフレーズに導かれて、ファンキーなベースがウネリ、四つ打ちのバスドラとともにのびやかに彼の歌が現われた。

 

「いちば~ん 好きな緑色の自転車と 君がいるから 心の中はいつもミリオネア♪」

 

当時、出すアルバムが日本で一番売れていたミュージシャンの一人であろう彼が歌うことで意味があるフレーズだ。

 

 

達郎バラードの一つの完成形であり、ドラマの主題歌にもなった「ゲット・バック・イン・ラブ」、さまよえる大人の心の放浪の歌「マーマレイド・グッバイ」、ごく普通に暮らしている無名の人への讃歌「蒼茫」、彼は「市井の黙々と働いている人が一番偉い」とインタビューでも語っていたが、この曲はまさにそういった彼の思想信条がストレートに表れたものだ!

 

そしてラストの「僕の中の少年」にはこんなことが歌われている。

 

ひとときの夢の中

駆け抜けた少年は

今はもうあの人の

眼の中で笑ってる   ~「僕の中の少年」より~

 

彼はこの歌を自分の娘が生まれた時に作ったそうだ。

このアルバムを聴いた時、正直「大人しいなぁ」と感じたし、かつてのキラキラやドキドキ感は鳴りを潜めているなとも思った。

 

しかし、そういった大人になり自分の子どもを授かった時に、自分の中に何か失ったものがありつつも、自分の無垢な少年性は確実に次世代へと引き継がれているのを実感したのかもしれない。

歌のコーラスが終わり、最後のコーダの部分で様々な音が重なり合って消えていく様子がそれを物語っているようにも思える。 

 

かつての「夏男」の熱狂は終わったが、彼の自身の内面に向かう新しい音楽のスタートが感じられた一枚だった! 

 

 

 

 

購入履歴21枚目の記事はこちらです。 

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山下達郎「風の回廊」が収録されているアルバムはこちらです。 

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『音庫知身』ー妻からひとことー

 山下達郎さんのアルバムは、夫が聴いているのを自然と自分も聴いていてイントロが鳴ると「たっつぁんだ!」とわかるように教育されていた(笑)

このアルバムでは、もちろん「ゲット・バック・イン・ラブ」なども文句なしにイイのだけど、実はこのようなしっとり系の大人な男性ボーカルの人が歌う「踊ろよ、フィッシュ」なんかも好きだったりする。

1998年に発売された「ドーナツソング」も思わず笑顔になってしまう楽しい1曲。

このギャップがたまらんのである♪

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

このアルバムはカセットテープ、レコード、CDを購入しています。

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥72,500 👈CDだけじゃないと一気に増えるよね(;^_^A

※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。