ココロドリの音庫知身

音楽とそれにまつわるトピックについてのブログ

【 ブルース・ジョンストン/歌の贈り物 】~ 素晴らしい音楽に出会うきっかけとなったライターの方とその記事に感謝!~

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!19枚目

本日の棚からひとつまみは「B」列から、「ブルース・ジョンストン/歌の贈り物」

雑誌のレビューを見てどうしても欲しくなってレコードで購入!当時は未CD化だった。後年CDでも購入した。今尚、個人的な愛聴盤の一つとして君臨している。

 ※人物名は敬称略

 

 

「ブルース・ジョンストン/歌の贈り物」

https://m.media-amazon.com/images/I/5112tgK5aNL.jpg

 

この作品はビーチボーイズの現メンバーブルース・ジョンストンが1977年に発表したソロアルバム。初期の彼はブライアン・ウィルソンビーチボーイズのコンサートツアーに出れなくなってからの代役としてステージに立ち、録音にも参加していたが加入当時はレコードジャケットにその姿はなかった。60年代後期あたりから徐々にその功績が認められて、70年代以降からはグループの曲作りやプロデュースをするようにもなっていった。

 

 

このアルバムに出合ったのは1988年、私は相変わらず、当時流行していた音楽には目もくれず、ビーチボーイズアメリカンポップス、ソウルミュージックなどを毎日熱聴していた。

 

片田舎の当時まだ音楽仲間もいなかった頃の私の情報源は、もっぱらFMラジオの夜9時台から深夜にかけての音楽プログラムと、なんといっても「レコードコレクターズ」に代表されるマニアックながら良質な情報がぎっしり詰まった音楽雑誌の数々だった。

 

私は80年代に山下達郎の音楽に出会ったこと、そしてのめり込んだことで人生は大きく変わった。

当時、流行の最先端を突っ走っていた彼は同時に、自分の担当する番組では自分の音楽以上に、自分が影響を受けたルーツミュージックをひたすらかけていた。

当時、こういった有名ミュージシャンはほとんどいなかった。

 

今思えば、山下達郎や彼の音楽仲間、そして、古いながらもいい音楽を紹介してくれたラジオDJや良心的な音楽評論家たちがいたおかげで自分も一端の音楽マニアになれたようなものである。

 

渋谷陽一小林克也萩原健太、東ひさゆき、長門芳郎、森勉、北中正和…etc。

 

こういった方たちが私の音楽の先生になってくれた。

そして未知の音楽に遭遇した時は、これらの方たちの意見が大いに参考になった。

 

 

このアルバムもそんな先達がおすすめしてくれた一枚。

 

 

当時毎月買っていた「レコードコレクターズ」というレコードマニアの雑誌でビーチ・ボーイズの特集があった。

私はライターの方々が書いたアルバムごとのレビューを一字一句眺めては、聴いたこともない曲や知っている曲の裏話、バージョン違い、別ミックスなどの情報を読んで胸を躍らせて、

 

「この曲の別バージョン違いを聴きたい!」

「この曲はメンバーが一切演奏をしていない!?」

「ここのコーラスはブライアンの多重レコーディングなのか」

 

といったことに、毎晩驚いたり、思いを馳せたりしていて、知識を得られた以上の満足感を与えられていた。

 

その中で、音楽評論家の森勉が、「私の個人的な愛聴盤の一つ」としてこの「歌の贈り物」を挙げていた。

 

ビーチ・ボーイズのことに詳しいだけでなく、愛を感じる記事をいつも書いているので、この人がそこまでいうのなら、間違いないだろう」

 

とほぼ盲目的に信じてしまい、その記事を見た数日後いつもの中古レコード店でいいコンディションのものを4000円で購入した。

 

 

家に帰って、ヘッドフォンをして聴くと、得も言えぬ甘美な世界が脳内に広がった。

「これぞ、音楽の醍醐味!泣けてくる…。」

 

このアルバムは未だに私の愛聴盤の一つだが、こういった良心的な音楽評論家、ライターの方々に教えられた素敵な音楽との出会いがこの後にも続いていくのである。

 

 

今思えば、こういった出会いは本当に人生の財産の一つである。

そのような方の記事との出会いで音楽に対する豊富な知識を得られただけでなく、音楽に向き合う姿勢を学び、記事から垣間見られる愛情あふれる表現を通して、音楽を聴く感性や審美眼を養われたのだとつくづく思う。

 

これはもう感謝しかないだろう。

 

今後は、私が受けた沢山の恩恵を少しずつでも還元できるよう切に願いながら、このブログを綴っていきたい。

 

Spotifyでアルバムを視聴することができます。

30秒間の視聴をお試しください。▶で再生、もう一度押すと停止します。  

※楽曲をすべて再生して聴くためには、Spotifyの会員登録が必要となります。

 

Spotifyなら無料で簡単に音楽を楽しむことができます♫
www.spotify.com

 

 

 

購入履歴18枚目の記事はこちらです。 

dekoboko5050.hatenadiary.com

 

ビーチ・ボーイズブライアン・ウィルソン山下達郎関連の記事はこちらです。 

dekoboko5050.hatenadiary.com

 

dekoboko5050.hatenadiary.com

 

dekoboko5050.hatenadiary.com

 

 

 

『音庫知身』ー妻からひとことー

アルバムの1曲目は、西城秀樹さんもカバーしていたみたい。全体的にしっとりじっくりゆったり聴いていたいアルバムだと思う。

そう思っていたのに!!

最後の曲で「アレっ???」となったゾ。夫に聞くとパイプラインのディスコバージョンなのだそうだけど 、これだけガラッと雰囲気違うよね(^^;

「どうしてコレ入れちゃったのかな~」なんて思ってしまうのは私だけなの?

でも、ある意味これが戦略だったりして(笑)

人間の好み、妙に引っかかっちゃうところって人それぞれ違うもんねー。これはこれで、脳裏に?残っちゃったみたい(笑)

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

今回はレコードとCDを購入しています。←両方欲しくなっちゃうんだね(^^;

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥57,000

※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 

【キャロル・キング / つづれおり】~ いつの時代でも最新ヒットになってしまう彼女のメロディーの力!~

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!18枚目

本日の棚からひとつまみは「C」列から、「キャロル・キング/つづれおり」

初のCDオリジナルアルバム! 

当時CDプレイヤーがなかったため、購入後友人に頼んでカセットにダビングしてもらった、しばらくそういった状態が続いていた(^^ゞ

 

 

キャロル・キングタペストリー」

https://m.media-amazon.com/images/I/51ApzzMF-qL.jpg

 

 日本がバブル経済全盛の頃、ユーロビートと呼ばれるダンスミュージックが大流行していた。

その当時は日本にもその波が来ていて、邦楽でも「淋しい熱帯魚」をはじめとしたWINKの大ヒット曲や、石井明美の「CHA CHA CHA」やアイドルの田中美奈子もロネッツの「ビー マイ ベイビー」をユーロビートカバーするなど、街を歩いていてもどこからかそういった曲が流れてきたのを今でもよく覚えている。

 

その中でもカイリー・ミノーグの「ロコモーション」はしょっちゅう流れていた。

The Loco-Motion

The Loco-Motion

  • provided courtesy of iTunes

 

この曲も最初の頃は、

「売れ線の軽薄な曲だな~」

くらいにしか感じていなかったが、何度も聞かせられるうちに、

 

「キャッチーすぎて耳から離れられない」

っと友人と文句を言うようになっていた。

 

そんなある日、別な友人と車でNHK-FMの70年代洋楽特集的なプログラムを聴いていたら、カーペンターズの曲の後に、暗~い歌い出しの曲が流れてきた。

 

「なんだろう、この曲?」

って20~30秒後にすごくキャッチーなサビとともに悲痛な叫び声の歌が聴こえてきた。

 

And  it's too late, baby, now it's too late♪

~だとしたら、もう遅すぎる、ベイビー、もはや手遅れなのよ~

イッツ トゥー レイトより

  

「おぉー、なんだこの曲は!」

 

今度はこの曲が頭から離れなくなり数日後レコードショップに行き、レコードが無かったのでCDで購入した。

 

そのライナーノーツでこのキャロル・キングという女性がとんでもない怪物だと知ることになる。

なんとこのアルバムを出す5、6年前まではアメリカの音楽界のヒットメーカーで元夫であったジェリー・ゴフィンとコンビで「ロコモーション」を始めとする数々のヒット曲を送り出していたという。

 

この「つづれおり」は「空が落ちてくる」「君の友達」「スマック・ウォーター・ジャック」等など収録されている12曲、全曲シングルカットできるくらい曲が粒ぞろいで、このアルバムの曲順で全曲が違うアーティストがカバーしているアルバムも存在しているくらいだ。

 

アルバム「つづれおり」は、Spotifyで聴くこともできます。

以下、視聴することができます!

※楽曲をすべて再生して聴くためには、Spotifyの会員登録が必要となります。

  

ほのかな明かりが差す窓辺で猫と一緒にジャケット写真に収まっている女性は日本で言えば五輪真弓のような存在かと勝手に思っていたのだが、単なるシンガーソングライターではなかったのだ。

 

しかも、その時ユーロビートの最新曲として大ヒットを出しているということに愕然とした。 

 

この事実に売れ線だの、産業ロックだの、本格的なシンガーソングライターだの意識して音楽を聴いていたそれまでの自分がバカバカしくなってしまった。

 

 

「ジャンルなんて関係なしに、良い曲はいつの時代でも通用するんだな~」

 

「メロディーそのものが良ければ何十年経とうが古びないんだな」

 

 

19歳になろうとしていた自分が、至極当たり前なことに気づくキッカケをこのアルバムは与えてくれた。 

 

それ以降もキャロル・キングの音楽から影響を受け続けたのは言うまでもないが、今まで自分が聴いてきた音楽がこの女性の強い影響下にあったのをこの時の自分はまだ知らない。

 

 

 

購入履歴17枚目の記事はこちらです。 

dekoboko5050.hatenadiary.com

 

 

 

Spotifyなら無料で簡単に音楽を楽しむことができます♫
www.spotify.com

 

 

『音庫知身』ー妻からひとことー

「つづれおり」は、私も大好きなアルバム!キャロルキングの別なアルバムもこれから出てくるのかな~。私はジェームステイラーとの「アップ オン ザ ルーフ」もとても好きなんだけど…。

キャロルキングは、日本で言うとユーミンかなと思う。ユーミンも本当はソングライター志望だったと何かで聞いたことがある。「卒業写真」ができた時に誰もその世界観を表せる人がいなかったから自分で歌うことになったとか…。

キャロルキングにしてもユーミンにしても、本人たちの独特な声?がその世界観をさらに引き立たせているように思えてならない。 

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥50,500

※累計金額は、夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 

【音楽体験にまつわるエトセトラ】~NO MUSIC ,NO LIFE!音楽が人生にもたらしてくれるストーリーを!~

f:id:dekoboko5050:20200716120450p:plain

 

今日の記事は「音楽好き」が音楽に関心がない方に対してどのようにブログ運営を考えているかについて私なりに考えてきたものです。

よって本日は音盤の紹介はありません。明日からまた続きますので、今後ともよろしくお願いします_(._.)_

 

 

音楽好きの当たり前って?

  

このブログでも登場した「タワーレコード」の有名なキャッチコピーに、

 

『NO MUSIC,NO LIFE!』

 

っていうのがあります。

音楽好きなら、この言葉の意味がスーッと入ってきますよね。

 

私はまさに音楽に人生を変えられた人間なので、このキャッチコピーを見た時に、

 

「いいコピーだな~分かってるね~!」と感じたのと同時に、

「あえてこんなこと言うなんて、逆に音楽が嫌いな人間なんて世の中に存在するの?」

 

と不思議に思ったものです。

 

しかし、数年前あることがきっかけでようやく、

「世の中には音楽に関心がない人もいるんだな」という、当たり前といえば、当たり前の事実に気づきました(^^;

 

 

私はお酒自体は飲めますが、あまり好きではありません。

 

よくお酒が好きな人が、

「お酒の楽しみが分からないなんて人生半分以上損をしているよ」

っていう感じの言い回しの言葉を聞かされるたびに、

 

「そうかな~?」

 

って内心いつも疑問に思っていましたが、そんな酒好きの方と同じようなことを音楽に対して感じていたんですね。

音楽中毒者だったので全然気づいていませんでした(笑)

 

音楽好きの当たり前は当たり前ではなかったのです!

 

 

マニアでも音楽は人生のほんの一部になっていくのか?

https://cdn.pixabay.com/photo/2015/12/17/09/45/music-1097110__340.jpg

 

かつて音楽を流す時は、

ラジカセ

レコードプレイヤー

CDプレイヤー

カーステレオ

ウォークマン

など音楽を再生するためのツールを使っていました。

 

しかし、 今は多くの方がスマートフォンを使って音楽を聴いていると思います。

これが音楽の聴き方や接し方に劇的な変化を与えたと私は思います。

音楽をスマホにダウンロードするようになったり、月額のストリーミングサービスを利用したり、はたまたYouTubeを使えば無料で古今東西の様々な音楽を聴くことができるようになりました。

 

つまりCDやレコードを買って聴いてきたもの(所有)が、無料や少額での定額サービス(共有)で気軽に聴けるようになったのです。

 

しかも、最近はミュージシャンのレベルが昔よりも数段上がっていて、質の高い歌や曲をネットでしかも無料で提供しているアーティストも数多くいます。

 

ビートルズやマイケルジャクソン、ショパンモーツァルト、はたまたユーミン、レディーガガ、BTS、あいみょんが同じプラットフォームに並んでいるのですから、それらと同等かそれ以上の良い曲やいい歌でなければ聴いてもらうことは難しくなっています。

 

また、恐ろしいことにミュージシャンの競合はミュージシャンだけではなく、スマホの中のエンターテイメントだけに留まらず、全てのスマホコンテンツが競争相手です。

ネットフリックスやゲーム、オンラインサロン、そして場合によってはSNSやブログなども範疇に入るでしょう。

 

こういった状況はリスナーや視聴者の立場ではもはや当然になってきていますが、サービスの提供者側に立って考えれば「スマホ利用者の時間をより奪っていくにはどうすればよいか?」と戦略を考えて、よく練られた良質なコンテンツを提供し続けなければ、誰も相手にはしてくれない残酷で非情な世界になったとも言えます。

 

こんな中、アーティストや音楽ファンはどこに向かっていけばいいのでしょうか?

 

 

 音楽が人生にもたらしてくれるストーリーを!

 

私自身20代だった90年代は1枚のCDシングルやアルバムが200~300万枚売れているのも珍しくありませんでした。

自分を含めて10~20代の音楽をよく聴く世代の多くがカラオケに行って、流行っている同じ歌をこぞって歌っている時代でした。

 

しかし、これからは

「音楽を聴く人と聞かない人の明確な住み分け」

が起こりそうです。

 

音楽に関心がない人は、スマホに音楽関係の色々な機能があるにも関わらず、他のエンタメやゲーム、動画、SNSなどのコンテンツを利用するでしょうし、音楽が好きな人はますます強力な音楽ツールとして使うことになっていくでしょう。

 

もちろん、その住み分けは、年齢や性別、住んでいる国や地域なども限定しません。

世代や仕事、考え方などをも超越して、閉じた空間で密接に好きな音楽やアーティスト本人とも交流をしていく人々がこれからはますます増えていくでしょう。

 

ほとんどのアーティストは音楽や歌のクオリティーも高いものが多いので、曲それ自体やアーティスト単体の魅力のみで音楽を聴いてもらうのは至難の業です。

 

 これからは、その歌や音楽に込められたストーリー、そのアーティスト自身の人生そのものが音楽を通して聴き手に新たなストーリーを展開できるかどうか…。

 

 今後の音楽体験はその辺が重要なカギになってくると思います。

 

私もこのブログで素敵な音楽をご紹介していくとともに、自分の音楽体験を通じて、一人の人間が経験した生のストーリーをお届けしたいと思います。

しかも、音楽ファンだけでなく、何かを追い求めて行動している方に向けて、私はこのブログを続けていこうと考えています。

自分のこれまでの経験が、読者の方の何かの足しになればこれ以上のことはありません。

 

それでは、こうご期待(*^_^*)/

【The Tymes/So Much In Love】~中古レコード専門店で見つけたスウィートで素敵な一枚~

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!17枚目

本日の棚からひとつまみは「T」列から、「The Tymes/So Much In Love」

中古レコード専門店で初めて買ったレコードアルバム、なんと10,000円もした! 

 

 

「The Tymes/So Much In Love」


So Much in Love

画像:AmazonよりCDのジャケット

 

 

大学に入学してから半年経ったあたりだったと思う。街の書店にある音楽雑誌のコーナーでとある雑誌を発見した。

「レコードコレクターズ」

である。

 


レコード・コレクターズ 1988年 11月号 [特集]ザ・キンクス ザ・ビーチ・ボーイズ(下)

 


レコード・コレクターズ 1988年 10月号 [特集]ザ・ビーチ・ボーイズ(上)

 

 

「レコードコレクターズ」という雑誌は簡単に言うとその名の通りレコードをコレクションする人のためのガイドブックのような雑誌で、クラシックなどを除いたポピュラー音楽全般をを扱っていた。

その当時の売りは50年代~70年代の洋楽ロック・ポップスなどで、私が最初に見た時の特集は「ザ・キンクス」と「ザ・ビーチボーイズ」だった。

 

その雑誌には音楽記事と旧譜の再発のレビューや中古レコード店などのガイドも載っており、情報が少なかった当時、隅から隅まで店や商品広告を含めてありがたい存在だった。

 

その雑誌に地元の中古レコード専門店の広告があり、その店の地図と貴重盤の商品リストの一部が載っていたりしていた。

 

 

 

 

「これは行くしかない!」

 

数日後、私は一人で恐る恐るその店を覗きに行った。

扉を開けると、恰幅のいい髭の中年男性と細身の20代後半くらいの男性がいた。

低く小さい声の二人は忙しそうにレコードの整理に追われていた。

 

店内にはオールディーズのレコードがぎっしり並んでおり、その年代では種類・量ともタワーレコードの比ではなかった。

 

店内をよーく見渡すと、壁には古いシングル盤やアルバムジャケットがあった。

私の目を凝らすとオドロキ、胸が高鳴った。

 

The Beach Boys    Surfin'」オリジナル版        35,000円

「The fabulous RONNETS featuring VERONICA」   40,000円

  ……etc。

 

他にもレコードのライナーノーツや雑誌の記事でしか見たことのない貴重盤の数々がドエライ値段で売られていた!

 

店員さんに聴きたいことは山ほどあったが、圧倒されてしまいその時は話しすらできず、ビーチボーイズ山下達郎のオンスト1,2で聴いたことがあるドゥーワップのレコードなどを探した。

 

その中に「ON THE STREET CORNER2」で取り上げられていた「The Tymes」というグループの「So Much In Love」のオリジナルが収めてあるアルバムを発見した。

 

「おぉ!」

 

と私は身を乗り出してその盤に触れようと思った瞬間、手が止まった。

なんと10,000円と書かれたラベルが貼ってあったからだ。

 

「聴きたいけど、さすがに無理だな」

 

その日は意気消沈してその店を後にした。が、その日以来あのレコードが気になってしょうがない。月数万のアルバイト収入の中から10,000円は大きい。

しかし、散々迷って一週間後にはついにそのレコードを買った。

 

早速、レコードに針を落とした。「So Much In Love」はB面の一曲目だった。

 

So Much In Love

So Much In Love

  • The Tymes
  • ポップ
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

  

聴いた瞬間から懐かしい、温かい気持ちが胸のあたりに広がった。

このアルバムは曲の最初にすべて語りが入っており、オリジナルからジャズのスタンダードナンバーまで取り上げてあった。

 

語りと素晴らしいコーラスと寛いだ雰囲気と、とにかくすべてが素敵だった。

そのアルバムの副題に「The Story Of Summer Love」とあり、アルバム全体が男女の恋愛を巡るストーリー仕立てになっている。

いわゆるコンセプトアルバムと言っていいものだった。

 

このアルバムは1963年に発売。この時代のレコードアルバムの多くは1、2曲のヒット曲に10曲の捨て曲のような代物がい多かったと言われている。

しかも、ビーチボーイズビートルズのアルバムに先駆けて、こういったコンセプトアルバムがあったのはおどろきだ!

 

オンストのオリジナルを探す音楽の旅の最初に素敵なアルバムに出会えたのは幸運というしかない。

 

音楽の探求の旅は前途洋々のようにこの時は感じていた。

 

 

 

 

「The Tymes/So Much In Love」は、spotifyでも聴くことができます。

open.spotify.com

 

 

 

山下達郎オンストの記事はこちらをご覧ください。 

dekoboko5050.hatenadiary.com

dekoboko5050.hatenadiary.com

 

購入履歴16枚目の記事はこちらです。 

dekoboko5050.hatenadiary.com

 

 

 

『音庫知身』ー妻からひとことー

「So Much In Love」は山下達郎さんのカバーがまたとても素敵で大好きな1曲だ。

恋人との弾むような気持ちが直球で伝わってきて自分も浜辺を歩いている気分になる。あー、音楽でずいぶん色々なところに旅に出た気分。メロディを聴いただけで情景が浮かぶなんて、音ってすごいと思う!だから音楽が大好き!

英語がわからなくてもどんなことを伝えたいかが想像できるってすごくない!?

 

ますますこれからも楽しみが止まらないよ!

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥48,500

※累計金額は、夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 

【チャック・ベリー/ベスト・オブ・チャックベリー】~誰もが真似をしたくなるギターイントロとコマネチの共通点~

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!16枚目

本日の棚からひとつまみは「C」列から、「ベスト・オブ・チャックベリー」!

音楽棚に初めてCDアルバムがやってきた! 

 

 

チャック・ベリー/ベスト・オブ・チャック・ベリー」 


ベスト・オブ・チャック・ベリー

 

 

ある日、中学で仲が良かった別の高校に進学した同級生と偶然に大学の構内で久しぶりに会った。

超人気アイドルと同姓同名だった彼は、大学に入ってからなぜか熱狂的なビートルズジョン・レノンのファンと化していた。

 

その彼と学食に入って音楽の話をしていたら、チャック・ベリーの音楽が聴きたいと言ってきたので、最近たまたま購入したチャック・ベリーのCDを貸すことにした。

 

ビーチボーイズばかり聴いていた当時の私は、彼らの出世作「サーフィンU.S.A」がチャックベリーの「スウィート・リトル・シックスティーン」という曲のメロディーを拝借したものだとライナーノーツで知り、「どんな曲なんだろう?」と気になっていた。

私はその真偽をいち早く自分の耳で確かめたかったが、どこのレコード屋を探してもチャックベリーのカセットやレコードが無かった。そして、ようやく見つけたのが、このCDだった。

 

サーフィン・U.S.A.

サーフィン・U.S.A.

  • provided courtesy of iTunes

 

 

CDプレイヤーはまだ高くて買えず、CDを買ったのに聴くことができない。しかしその友人の部屋にはCDプレイヤーもカセットデッキもあるというではないか!

私は渡りに船だと思い、そのCDを貸す代わりにカセットテープを渡して、ダビングしてくれるように頼んだ。

 

数週間後、学食でその友人と再会した。ところが、なぜか浮かない顔をしていた。

 

「どうした?」

「期待外れだったよ。買わなくてよかったよ。」

「エェー、なんで?」

「だって、みんな同じ曲に聞こえるんだもん。聞いて損したよ!」

 

なんでも、ジョン・レノンの伝記か何かを読んで「ロックンロールに別名を与えるとすればチャック・ベリーだ」という記述があったらしく、すごく期待したそうだが見事に裏切られてガッカリしたのだそう。

 

「そんな大げさな!」

 

私はまだそのアルバムを聞いてもないのに反論したが、ホントかどうか家に帰って早速ダビングしてもらったカセットを聴いた。

「ジョニー・B。グッド」「オールモストグロウン」「ロールオーバーベートーヴェン」「メイベリーン」「スウィート・リトル・シックスティーン」…etc。

 

確かに全部似ていると、一聴して感じたことは感じたが、やはりそれは言い過ぎではないかと私には思えた。

 

どの曲もキャッチーでスリーコードを基本としているロックンロールだが、ロックの様々な名曲でも繰り返してカバーされるあのギターのイントロの創始者だと思うと、たとえ一聴してワンパターンに思えてもこれは凄いものだと思った。

 

「これは落語や歌舞伎などと同じようなある種の伝統芸能のようなものではないのか?」 

 

勝手な解釈をした私は、あるものとの共通点をこれまた勝手に思いついた。 

 

ビートたけしのコマネチだ!

 

私は小学生の頃にはツービートの洗礼を受けた世代だが、熱狂的に支持していたわけでもないのに、コマネチのポーズは今までに何度も無意識にしていたと思う(笑)

 

たぶん、ビートたけしの熱狂的なファンでなくても、日本中のかなりの数の人間が意識的、無意識的にかかわらず一度や二度くらいはこのポーズをしたことがあると思う!

 

それくらいキャッチーで気持ちいいポーズだと思う(笑) 

 

それと共通するくらいチャック・ベリーは普遍的なギターのイントロとギターリフを開発したイノベーターで、エレキギターを手にしたら誰もが真似をしたくなるフレーズだ!それくらい弾いていて気持ちいいし、痛快だ。

 

しかし、チャック・ベリーの影響はそれにとどまらず、ロックの精神性を体現した物語性のある素晴らしい詞の世界とその生き方だと思う。 

 

読み書きができない少年がギター一本でスターへと駆け上がる物語、ジョニー・B・グッド。

おんぼろ車で高級車のキャデラックを抜き去る、メイベリーン。

ベートーヴェンをぶっ飛ばして、今日もR&Bを楽しもうと痛快に呼びかける、ロールオーバー ベートーヴェン

だから、俺はロックン・ロールが好きなんだ!と叫ぶ、ロックンロール・ミュージック…etc。

 

ジョニー・B.グッド

ジョニー・B.グッド

  • provided courtesy of iTunes

  

メイベリーン

メイベリーン

  • provided courtesy of iTunes

 

 

チャック・ベリーはギターイントロやリフ、「ダックウォーク」と呼ばれるステージパフォーマンスだけではなく、曲を通して理不尽な世の中に対して疑問を投げかけ続け、「俺はこうするぜ」と答えを提示していった。

その精神性が数えきれない彼の名曲を通して後世のミュージシャンによって受け継がれていった。

 

ビートたけしもコマネチや漫才ブームで一世を風靡したものの、単なる売れっ子芸人として終わることなく、独特な世界観や精神性を湛えた映画を撮り続けて今や世界的な映画監督「北野武」として評価されている。そんな二人の姿勢は今の世の中に対して、

 

「ホントにそれでいいのかよ!」

 

って未だに問い続けているように感じる。

 

とはいえ、20年ほど前にアルフィー坂崎幸之助が若い世代とのジョイントライブに出て盛り上がっていよいよ最後の曲ってなった時に、「じゃ、みんなでジョニー・B・グッドをやろうぜ!」と呼びかけたら、若いミュージシャンが、

「ジョニー・B・グッドって何ですか?」って答えたという(笑)

坂崎は世代のギャップを強く感じてしまったそうだ(^^; 

 

もしかして、今のお笑い第7世代にとってはコマネチも伝統芸能の部類になっているのかもしれない。

 

チャック・ベリーのベスト盤を聴いて、一つの物語のように感じてしまっていた私は、この後、本格的なレコード収集の旅に入るキッカケとなった思わぬ「みっけもの」と出会ってしまうことになる。

  

 

 

購入履歴15枚目の記事はこちらです。 

dekoboko5050.hatenadiary.com

 

 

 

『音庫知身』ー妻からひとことー

しかし、まだCDプレイヤーも準備していないというのにCDを買ってしまうという時点で相当ハマっていたんだと思う。でもまぁ、何が何でも手にしたい!という気持ちもわかるし、後にこうして私もその恩恵を受けることが出来たのだからヨシとしよう(笑)

ジョニー・B・グッドも、ロール・オーヴァー・ベートーヴェンも私はビートルズのカバーを最初に聴いていたので、この2曲はビートルズの曲だと思っていた。

あたりまえだけど、やっぱりどんな人にも影響を受けている人物、師となる人物がいたのだとつくづく実感するし歴史を辿るととてもおもしろい!

 

なんといっても、夫のコマネチ の逸話をこうして知ることが出来たのだから…(笑)

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥38,500 

※累計金額は、夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。