ココロドリの音庫知身

音楽とそれにまつわるトピックについてのブログ

【音庫知身のブロ訓!?】~自分が気に入らないものは紹介しません!~

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今日は音盤の紹介を一旦休憩です。続きはまた明日から再開です。

 

ここからは、単なる私の体験談や空想物語なのでお時間が許す方だけお付き合いいただければ幸いかと思います。

 

 

このブログでは私が購入していった音盤を時系列に紹介しています。時代は私が高校2年生だった1986年(昭和61年)からです。

私は山下達郎さんの音楽から本格的にリスニングライフが始まりました。80年代の彼の音楽スタイルは都会的な洗練された「シティーポップ」といわれ、夏や南国をイメージさせる曲も多かったので「リゾートミュージック」ともいわれていました。

 

彼のようなシティーポップ的な音楽は他にもあって、結構ヒットを飛ばしているアーティストもいました。その中にも結構好きなアーティストや曲もあり、レンタルレコードを借りてきてテープにダビングして聴いていたものもありましたが、レコードやカセットテープを買ったりはしませんでした。

 

理由はこれから何年先もずっと聴いているだろうなと思ったのが達郎さんだけだったからです。唯一の例外は大滝詠一さんです。

 

 

私は基本的に保守的な人間で、あまり冒険を好みません。

これは物心ついた時からの私の性分のようです。今でもよく母親に、

「あんたは、外食してもラーメンかカレーしか食べないもんね」

と半ば呆れた感じで言われていました。

 

ただ自分が「これだ!」って決めたら曲げない性格で(す?)した。

物心つく前から、気に入ったおもちゃなんかを目にするとそこから離れずテコでも動かなかったそうで、それが安かろうが高かろうが関係なく泣きながらずっとダダをこねて

手に負えなかったという話もよく母から聞いていました。

 

三つ子の魂百までといいますが、人間の性格の根底にあるものは中々変わらない、簡単には変えられないものだと私は考えております。

 

このブログに関してもその姿勢を貫いておりまして、基本的には、

「自分が気に入らなかったら紹介しない」

ことをモットーにしていきたいと思います。

 

ただし「これは失敗したな~」って思った音盤も多数あるので、そこは正直にお伝えしようと思います。

 

 

 

しばらくは当時の流行を無視した50年代、60年代、70年代のアメリカやイギリスの音楽が中心になりそうです。

後に、アメリカ以外のヨーロッパや第三国と言われる音楽にも触れていきます。共通して言えるのは、

「あまりなじみはない音楽だけど素晴らしいものである」

ということです。

 

また結構先になりそうですが、日本のアーティストも続々出てきます。

これからもお付き合いいただければ幸いです。

 

それでは、また(^^)/

 

 

ーおまけー

昭和から平成に元号が変わった頃、古い音楽ばかり聴いていた私は、こう密かに思っていました。

「今からの時代は真の意味で最新・流行の音楽はなくなるのではないか。だって音楽のスタイルは出尽くしたから。今後は今まで出てきたスタイルや遺産をどう面白く組み合わせていくかがカギになるのではないか…だから自分は今まで人類が蓄積した音楽の遺産を片っ端から聴いていきたい!」

 

私はその頃から10年以上、当時の流行りもの以外の様々な音楽を聴きました。

 

ネットの情報が飽和状態になっている今、30年前に自分が予想した未来もまんざら的外れではないような気がします。自画自賛ですが<(_ _)> 

【 ジャン&ディーン/サーフ・シティー 】~端正なルックスと鋭い戦略でミュージックシーンを乗り切った彼らの優れた波乗り戦略とは?~

 

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!23枚目

本日の棚からひとつまみは「J」列から、「ジャン&ディーン/サーフ・シティー」。

1963年リリース。行きつけの中古レコード店でオリジナルアルバムをミントコンディションの状態(新品に近いもの)で購入。当時で5000円した。最初躊躇したが、お店の中を30分ウロウロして、最後は「今、買わないでいつ買うの?」ってもう一人の自分に急かされて購入。「サーフ・シティー」が聴きたくてしょうがなかったからだ。

 ※人物名は敬称略

 

 

「ジャン&ディーン/サーフ・シティー」  


サーフ・シティ

 

 

テレビやラジオ、街角で流れていた曲で

 

「これ、誰の何て曲だろう?」

 

と気になっても分からずに、ヤキモキした経験は誰でも1度や2度はあるのではないか?

 

 小学校の時、数10秒のテレビCMで流れて誰の何の曲だかも分からず、運が悪いことに何のCMかも分からなかったので、探しようにも探し出せない曲が何曲かあった。

 

後年、その中の一曲がこの「サーフ・シティー」だったと分かった。

 

 

音楽の旅を続けていく中、ある時ラジオで偶然にそれを聴いた。

ビーチボーイズブライアン・ウィルソンの特集番組を聴いていたら、DJが曲をかける前にこう言った。

 

「次は、ブライアン・ウィルソンが友人だったジャン&ディーンに提供して、自分自身の曲としても初めての全米ナンバーワンになったこの曲! サーフ・シティーです!」

 

「Two girls for everyboy~♪」

 

この出だしのコーラスとサウンド!自分の身体に電流が走るような感覚を覚えた。

 

「あ、あの時の曲!!」

 

数日後、レコード屋に走るもタワーレコードに行ってもこの曲は見つからなかったので、行きつけの中古レコード屋に直行。

 レジカウンターの後ろの壁の上の方を眺めるとそのレコードが鎮座していた。

 

「あ、あった!」

 

長年探して求めていた音楽との再会。もう聴きたくてしょうがなかったので状態のいい中古品を5000円で購入。

 

しかし、彼らのサーフミュージックを聴きたかった自分にとっては、アメリカ各都市を扱った有名曲のカバー中心のこのアルバムは正直期待外れだった。

でも、私にとっては「サーフ・シティー」1曲を聴くだけでも5000円以上の価値はあった。

 

当時の音楽シーンはシングルヒットが出てナンボの世界。アルバムはシングルヒット2曲と10曲くらいの捨て曲を抱き合わせにしたような作りのものがほとんど。

そんな彼らは典型的なシングルヒットメーカーだった。

「サーフ・シティー」の他にも「ホノルルルル」「ライド・ザ・ワイルド・サーフ」「デッドマンズカーブ」「パサディナのおばあちゃん」等など…シングルヒットがまぁ~カッコイイ曲が揃っている。

 とはいえ聴いた感じ、彼らの曲はビーチボーイズとほとんど変わらないような気も…。

 

一聴すると、サザンと桑田佳祐のソロの違い以上に違いが分からない(^^ゞ

 

ジャケット写真で見る限りでは、彼らはビーチボーイズのメンバーよりルックスも良く、ステージ栄えしそうだし、シングルヒットした楽曲はホーンやストリングスなどを大胆に使っており、ビーチボーイズの単なるモノマネに終わらないスマートさとドラマティックさがある。

 

 

当時読んでいた「ビーチボーイズリアルストーリー」にはジャン&ディーンがブライアン・ウィルソンと知り合って、お互いにとって初のナンバーワンヒットを生むまでの過程が描かれている。

 


ビーチ・ボーイズ―リアル・ストーリー〈上〉

 


ビーチ・ボーイズ―リアル・ストーリー〈下〉

 

ビーチボーイズより3年も前にデビューをし、すでに「Baby talk」というベストテンヒットもあった彼らは当時ヒットに恵まれず、新しい「波」を探していた。

そんな中、ライブイベントでビーチボーイズの音楽を聴いたジャン&ディーンは彼らの音楽に興味を持ちブライアン・ウィルソンに急接近、仲良くなった。

 

そんなある日、ジャン・ベリーが、

「ここらで大きなヒットが欲しいんだけど、なんかいいアイディアはない?」

とブライアンに訊いたら、ピアノの前に座っていたブライアンが後の彼らのヒット曲「サーフィンUSA」を聞かせた。ジャン・ベリーはその曲をいたく気に入って、その曲を自分たちに歌わせてほしいと懇願したが、

「これは自分たちの新曲だから駄目だよ。でもまだ未完成だけどこんなのがあるんだけど…」

って代わりに弾いたのが「サーフ・シティー」だった。

その曲もジャンは気に入り、ブライアンと共同でその曲を仕上げたそうだ。

 

ブライアンもレコード会社が禁じていたにも関わらずこの曲のレコーディングまでサポートして、リリースしたら、この曲がグループより先にチャートのナンバーワンを取ってしまった。

当時ビーチボーイズのマネージャーで実父のマレー・ウィルソンは、

 「あんな奴らにヒット曲を渡すなんて!なんてことを、あいつらは海賊だ!」

と言ってこの事態に激怒したという。

(ヒット後にこの話を聞いていたジャン・ベリーは、ビーチボーイズと同じライブイベントに参加した時は海賊の衣装を着てステージに上がったそうだ(笑)

 

その後もお互いに良きライバルとして交流を続けて、ビーチ・ボーイズとともにこの当時最先端のサーフィン&ホッドロッドブームの立役者となった。

 

ジャン&ディーンは鋭い臭覚で時代の波を知り、いち早く取り入れいい波に乗り成功を収めた。

 

こう書くと彼らが単なる流行りもの好きの軽薄な人間のように取られそうだが、肝心の音楽を聴けば、当時雨後の筍のように表れたビーチボーイズのクローンとは間違いなく一線を画する。今聴いても十分キャッチーでスリリングな曲ばかりだ。

それを是非、自分の耳で確かめてほしいと彼らのファンである私は強く願う!

 

彼らは売れるためだけに戦略を立て実行したのではなく、良い音楽を作り、広く聴いてもらうため、時代のニーズをいち早くキャッチし、優れた波乗り戦略をしていたように私には思える。

 

 

※「Baby talk」が1959年、「Surf city」が1963年の曲。

同じアーティストがたった3年の違いでこんなにも変わった!

 

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購入履歴22枚目の記事はこちらです。 

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ビーチボーイズブライアン・ウィルソンの記事も合わせて読みたい♪ 

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『音庫知身』ー妻からひとことー

これは初めて聴いた時、歌い出しでビーチボーイズだと思ってしまったくらい完コピの仕上がりだった。

日本でも、よくコピーバンドとかを目にするけど、やっぱり昔からあるんだなーと思った。デコさんに話を聞くと、みんな友達としてつながりがあってお互いにカバーし合っていたらしいから。

でも、新しい音楽シーンを作り出すのに夢中になっていた若者は、その時代を競っていながらも心底楽しんでいたに違いないと思う。 

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

このアルバムはレコードで購入しています。

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥77,500 👈

※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 

【 山下達郎/ 僕の中の少年】~少年への決別と次世代への継承を歌い上げた大人のポップソング!~

 

『音庫知身~ある男の音楽体験史~』をお読みいただきありがとうございます。

 

本日、はてなブログさんよりTwitterで当ブログを紹介していただきました!

どうもありがとうございます。

今後もコツコツと続けていければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします! 

  

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!22枚目

本日の棚からひとつまみは「T」列から、「山下達郎/僕の中の少年」。

1988年10月リリース。人生で初めて発売日当日に買った待ちに待ったアルバム。いち早く通学の帰りの電車の中で聴きたかったので、久しぶりにカセットテープで購入しウォークマンで聴いた。その後、レコードとCDでも購入した。

 ※人物名は敬称略

 

 

山下達郎/ 僕の中の少年」 

https://m.media-amazon.com/images/I/41Sxw3FAIEL.jpg

 ※画像はCDのジャケット写真です。

 

 

私が 音楽を深く聴くきっかけになったのは、山下達郎の「風の回廊」とそれを収録したアルバム「ポケットミュージック」だ。

 


POCKET MUSIC

 

その後、山下達郎の音楽や彼のラジオを通して様々な素晴らしい音楽に巡り合ってきた。その頃はすでに音楽が生活の中心になっていたような気がする。

 

このアルバムが発売すると決まった時から、ウキウキしていたのを今でも覚えている。なんか久しぶりに故郷の懐かしい先生に会いに行くような感じとも言えばよいのか…。 

 

発売日当日、すっかり夏も終わってその日はすっかり秋めいた日だったと思う。

その頃、丁度、昭和天皇の体調が思わしくなくなりテレビのニュースでは連日、昭和天皇の今日のご病状として体温や脈拍まで事細かに報道されていた。

 

バブル経済が絶頂に差し掛かっている中、世の中が少し落ち着いたちょっと暗いムードになっている時にこのアルバムが発売された。

 

アメリカンポップスやソウルミュージックばかり聴いていた自分にとって、その頃聴いていた唯一の日本語の歌だった。久しぶりに聴いて山下達郎の歌がどのように感じるのか興味深かったし、なぜか怖くもあった。

 

 

駅前のレコード店に行き、店頭に山積みされていたレコードの横にあったこのアルバムのカセットテープに手を伸ばし、それをレジに持って行った。価格は3000円だった。

 

その店を出て、電車に乗るためプラットフォームに向かい、ホームのベンチに座って急いでケースのビニールを剥がし、カセットと歌詞カードを取り出し、ウォークマンのデッキに突っ込み再生した。

 

リズミックなシンセのフレーズに導かれて、ファンキーなベースがウネリ、四つ打ちのバスドラとともにのびやかに彼の歌が現われた。

 

「いちば~ん 好きな緑色の自転車と 君がいるから 心の中はいつもミリオネア♪」

 

当時、出すアルバムが日本で一番売れていたミュージシャンの一人であろう彼が歌うことで意味があるフレーズだ。

 

 

達郎バラードの一つの完成形であり、ドラマの主題歌にもなった「ゲット・バック・イン・ラブ」、さまよえる大人の心の放浪の歌「マーマレイド・グッバイ」、ごく普通に暮らしている無名の人への讃歌「蒼茫」、彼は「市井の黙々と働いている人が一番偉い」とインタビューでも語っていたが、この曲はまさにそういった彼の思想信条がストレートに表れたものだ!

 

そしてラストの「僕の中の少年」にはこんなことが歌われている。

 

ひとときの夢の中

駆け抜けた少年は

今はもうあの人の

眼の中で笑ってる   ~「僕の中の少年」より~

 

彼はこの歌を自分の娘が生まれた時に作ったそうだ。

このアルバムを聴いた時、正直「大人しいなぁ」と感じたし、かつてのキラキラやドキドキ感は鳴りを潜めているなとも思った。

 

しかし、そういった大人になり自分の子どもを授かった時に、自分の中に何か失ったものがありつつも、自分の無垢な少年性は確実に次世代へと引き継がれているのを実感したのかもしれない。

歌のコーラスが終わり、最後のコーダの部分で様々な音が重なり合って消えていく様子がそれを物語っているようにも思える。 

 

かつての「夏男」の熱狂は終わったが、彼の自身の内面に向かう新しい音楽のスタートが感じられた一枚だった! 

 

 

 

 

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山下達郎「風の回廊」が収録されているアルバムはこちらです。 

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『音庫知身』ー妻からひとことー

 山下達郎さんのアルバムは、夫が聴いているのを自然と自分も聴いていてイントロが鳴ると「たっつぁんだ!」とわかるように教育されていた(笑)

このアルバムでは、もちろん「ゲット・バック・イン・ラブ」なども文句なしにイイのだけど、実はこのようなしっとり系の大人な男性ボーカルの人が歌う「踊ろよ、フィッシュ」なんかも好きだったりする。

1998年に発売された「ドーナツソング」も思わず笑顔になってしまう楽しい1曲。

このギャップがたまらんのである♪

 

 

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このアルバムはカセットテープ、レコード、CDを購入しています。

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥72,500 👈CDだけじゃないと一気に増えるよね(;^_^A

※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 

【 サム・クック/ THE MAN AND HIS MUSIC】~すべてのソウルシンガーに影響を与えたといっても過言ではない偉大な歌手!~

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!21枚目

本日の棚からひとつまみは「S」列から、「サム・クック/ THE MAN AND HIS MUSIC」。サム・クックはすべてのソウルシンガーに影響を与えたといっても過言ではない偉大な歌手。日本では昔からソウルミュージックの人気は今一つだが、アメリカの音楽を語る上では避けては通れない。

 ※人物名は敬称略

 

 

「サムクック/ THE MAN AND HIS MUSIC」 

https://m.media-amazon.com/images/I/214WBS1HXEL._SL500_.jpg

サム・クックは1931年、アメリカのミシシッピ州クラークスデイル生まれ。父親が牧師だったこともあり、幼い頃から聖歌隊で歌っていた。19歳の時にソウル・スターラーズのリードボーカルとしてデビュー。1957年にはソロ歌手として「ユー・センド・ミー」がヒットしてスターとなった。

その後も軽快な歌からメッセージ性の強い「ア・チェンジ・イズ・ア・ゴナ・カム」のような幅広い歌を歌いこなすシンガーとなるが、1964年にロサンゼルスで射殺されてしまう。享年33歳。その影響は黒人・白人問わず多数に渡っている。  

 

 

サム・クックは昔購入したソウルのベスト盤オムニバスカセットで「ユー・センド・ミー」や前回のアート・ガーファンクルのアルバムでも取り上げていた「ワンダフル・ワールド」を歌っていて、軽さの中に心地よさと安心感を与えるような素敵な歌声を聴かせていたシンガーとしてずっと気になっていた。

 

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そんな中、いつものように大学の帰り道にタワーレコードに寄った時にこのジャケットが目に入った。堂々とした余裕のあるいかにも伝説のシンガーといった佇まいのその肖像画に惹かれて、

 

「きっと、いいアルバムに違いない!」

と思い、そのレコード盤を4000円で購入した。

 

いつものように、自宅のプレイヤーのターンテーブルに乗せ、針を落とした。

予想に反して熱い歌が流れてきた。先ほどのヒット曲しか知らない自分は、

 

「熱い歌だ!でもこれは、これでいいな~!」

 

すっかり、ご満悦状態になってしまい、レコード2枚組を最後まで一気に聴いた。

最後の「ア・チェンジ・イズ・ア・ゴナ・カム」は言葉の意味は分からなかったが、なぜか涙が溢れた。

後でこの歌の歌詞の意味が分かったのだが、

 

「長い間辛い思いをしてきたけど、変化は訪れるんだ、そうだきっとそうなるよ」

 

ということを歌っていたのだ。

 

 

アメリカの黒人音楽を語る上では必ず避けて通れない「人種差別」という現実。

 

彼のようにスターになっても差別と闘わなければならなかったことを考えるとアメリカ社会の複雑さが音楽からも伝わってきたことを今でもよく覚えている。

 

 

ところで、当時ソウルファンや音楽評論家がこの「ア・チェンジ・イズ・ア・ゴナ・カム」などを高く評価する一方、「ユー・センド・ミー」や「ワンダフル・ワールド」は単なる売れ線のポップソングだという風に言われていた。

 

私自身は彼の熱い歌も大好きなのだが、実はその時は彼の軽めの歌の方が好きだった。

 

 

適切な例えかどうかわからないが、私は「焼肉」と聞いて、反射的に「焼肉定食」を思い出してしまう性分だ(笑)。

炭火で焼いた本格的な焼肉ももちろん大好きなのだが、そんなもの胃が持たれるので毎日食べられない。

またグルメな方(=マニアな方)からすると焼肉は奥が深く「ちゃんとしたものをちゃんとした手順でちゃんとした作法でいただく」ことが当たり前だろう。

 

これはこれで正論!しかし、私にとっては覚悟が必要だ(苦笑)。

 

自分にとっては定食屋の「焼肉」で十分なのだ。

そして、そんな「焼肉定食」が自分は大好きだ!

 

サム・クックの歌の凄いところは本格的な歌も軽い歌も同じように聴き手の心を動かすところだと思う。

 

まるで彼は、本格的な「焼肉」でも定食屋の「焼肉」でも「おいしい焼肉」として提供する天才的な料理人のようだ。

 

 

Spotifyでアルバムを視聴することができます。

30秒間の視聴をお試しください。▶で再生、もう一度押すと停止します。

※楽曲をすべて再生して聴くためには、Spotifyの会員登録が必要となります。

 

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購入履歴20枚目の記事はこちらです。 

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『音庫知身』ー妻からひとことー

私は昔から音楽のジャンルに疎く、ソウルミュージックも全然わからなかった。

現在の音楽事情は幅広くて、それこそクリックひとつで現代と過去を瞬時に行き来できる環境になったのはすごいことだと思う!未来を感じさせるものも存在する!

でも、時々この音楽は、このジャンルは、どのような歴史を辿ってきたのかと考えるとオモシロくて、だんだんシンプルに削ぎ落とされていき、そこには何が残っているのかを確かめてみたい欲望がムクムクと姿を現してくる。

そんな歴史をこれからどんどん聴かせてくれることに期待したい!

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

今回はレコードのみを購入しています。

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥63,500

※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 

【 アートガーファンクル/ガーファンクル 】~ 混ぜるな危険!美しい歌声と練られたサウンド、でも音楽は聴いてみなきゃわからない!~

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!20枚目

本日の棚からひとつまみは「A」列から、「アート・ガーファンクル/ガーファンクル」

今まで色々なカセット、レコード、CDを買ってきたが、初めて?となってしまったアルバム。天才シンガーが数々の名曲を歌ったのだが、オリジナリティーが溢れすぎていて当時の私には驚きを越えて、???が連続してしまった。

 ※人物名は敬称略

 

アート・ガーファンクル/ガーファンクル」 


Garfunkel

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 アートガーファンクルの歌声は美しい。美しすぎて、せつなすぎて聴いているこちらが息ができないほど苦しくなってしまう…そんな歌声だと聴くたび感じる。

彼のソロの歌は孤高の超一流舞台俳優の独白のように聞こえてしまう瞬間がある。

 

しかし、そんな期待を見事に裏切られてしまった。

私はこのアルバムを聴いてみて正直戸惑った!

 

「これって、いいの?」

 

音楽に目覚めてから右も左も分からず、素晴らしい音楽を作っていたり紹介していた先達のアドバイスについて行っただけの私は初めて、道に迷ったような感覚に陥った。

 

 

アート・ガーファンクルの存在は音楽を熱心に聴く前から、サイモン&ガーファンクルの「サウンドオブサイレンス」や「スカボローフェア」「ミセスロビンソン」などの曲で知っていた。

なぜなら、姉がダスティン・ホフマンの主演の「卒業」をテレビで何度も見ていて、それらの曲が映画の中でも印象的な使われ方をされていたからだ。 

 

The Sounds of Silence

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  • サイモン&ガーファンクル
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Scarborough Fair / Canticle

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  • サイモン&ガーファンクル
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Mrs. Robinson

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  • サイモン&ガーファンクル
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その時から、

「美しくせつない歌声だな~」

とは感じていたものの、当時は特にレコードを買って聴こうとまでは思わなかった。

 

しかし、すっかりアメリカの古い音楽に入れあげていた私はある時、レコード店でこのCDに目を奪われてしまった。

昔購入したソウルミュージックのカセットテープに入っていた「男が女を愛する時」「ワンダフルワールド」、そして山下達郎がカバーアルバム「On the street corner 2」で取り上げていた「ソーマッチインラブ」や「瞳は君ゆえに」のカバーが入っていたいたからだ。

 

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「こんないい曲ばかりで、あのアート・ガーファンクルが歌っているんだから悪いはずはない!」

 

そう断定してしまった私は、レジに行き2500円を払いこのアルバムを購入した。

 

早速聴いてみた。その結果は…。

その時の私にはイエスともノーとも判断できなかった。

 

つまり、自分は、

「あのアート・ガーファンクルが歌ってるんだから、悪くはない」と感じているものの、「でも、正直いいとも思えない」

アンビバレントな状態に陥って、混乱してしまったのだ。

 

 

人気店のナポリタンと新鮮な極上の生うに、どちらも美味しいんだから、混ぜて食べたらもっとおいしいよと言われて、無理やり勧められ食べてしまった奇妙な感覚と言えばいいのか…?(伝わらなかったら申し訳ない)

 

私はおいしいナポリタンも新鮮な生うに、どちらも大好きだ。

しかし、これらを混ぜて食べたいと思わない。

 

まさに、「混ぜるな危険!」だと思った。

 

 

だが、このアルバムの名誉のために伝えておくと、「友に捧げる讃歌」「シザーズ・カット」といったヒットした名曲もあり、聴く人が聴けばまた評価が変わってしまうのは言うまでもない。

 

だから、是非、自分の耳で確かめてみることを勧めたい。

 

音楽は自分で聴いてみて初めて、ちゃんと体感できるものだから。

そして、自分の人生同様、音楽は体験することこそが一番大事だから。

 

 

 

この数年後、ドライブ中にラジオからこのアルバムに入っていない彼の別なソロ曲が流れてきた。その時、なぜか私は突然涙腺が崩壊して運転ができなくなり、事故りそうになって慌てて車を路肩に止めた。

この時の自分にそんなことが起こるなんて想像もつくはずもなかった。

 

 

Spotifyでアルバムを視聴することができます。

30秒間の視聴をお試しください。▶で再生、もう一度押すと停止します。

※楽曲をすべて再生して聴くためには、Spotifyの会員登録が必要となります。

 

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アート・ガーファンクルの50年を辿ることができる1枚もオススメ

 

 

 

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『音庫知身』ー妻からひとことー

私はガーファンクルのソロアルバムを初めてきちんと聴いてみた。

とても繊細な音の寄り添ったアルバム。ひとりで静かに聴きたいか、または沈黙を許す相手と、静かな草原のような場所で風に吹かれて聴こえてくる旋律を感じながら黙ってその時間を楽しむのがよいと思う。

みなさんだったら、どのようにこのアルバムを愉しむのだろうか…。 

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

今回はCDのみを購入しています。

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥59,500

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